危なげなく大森学園が初戦突破!成長を感じた先発右腕・岩間崇啓の試合を作る投球術

 大田スタジアムでの第二試合は大森学園vs昭和鉄道。大森学園は昨秋も都大会に進出するなど能力ある選手も比較的多い学校だ。昭和鉄道は1回戦で都立荒川商との延長15回再試合の末、勝利して勢いがあるチームである。

 大森学園の先発は背番号7をつけた岩間 崇啓投手。昨秋から経験はあり、投げる球はいいものが あったが、投球のパターンが一本調子になってしまい、試合を作れないことが課題であった。しかし、見てみると身長187センチを生かした角度のある真っ直ぐや、牽制、打者との間合いなど全てにおいて工夫しているところが見られ、成長を感じる投手に変わっていた。エース左腕の半田 隆人も能力あるが、夏の大事な初戦の先発を岩間に任せた理由もよくわかった。

 試合は序盤に大森学園が2点を先制。試合は大森学園ペースに見えたが、1回戦で延長15回再試合を制した昭和鉄道も粘りを見せて、5、6回に1点ずつ加えて同点に。昭和鉄道の相手に向かっていく姿勢や、先発の秋間 智希投手の丁寧にコースを突く投球が光る。

 2対2の同点で迎えた大森学園、7回裏。ここが試合のターニングポイントに。チャンスで回ってきた打者は1番・新城 憲和。ヒッティングだったため、予想できなかったがスクイズを決行。新城も絶妙なところに転がし、走者も生還。大森学園が逆転に成功。苦しい展開が続く大森学園だったが、8回裏の得点機では7番・佐藤 伸平がセンター前に安打を放ち、ダメ押しの1点が大森学園に入ったことで、応援スタンドからは大歓声が沸き起こった。

 最終回も四球、安打で粘る昭和鉄道であったが、あと一歩及ばず。大森学園が苦しみながらも昭和鉄道を4対2で勝利。

 1回戦で再試合に勝利した昭和鉄道だったが、この試合では2失策と走塁ミスが試合の明暗を分ける結果に。大森学園に食らいついていたことから、このミスは正直痛かった。

 大森学園はエース・半田の登板はなく岩間、池上のリレーで昭和鉄道を振り切った。攻撃陣は長打を打てる選手が多いわけではないが、ボール球は振らずにベルト付近の球をフルスイングする徹底ができていた。3回戦に進出した大森学園は7月16日に第二シードの二松学舎大附との対戦が決定。今春も選抜甲子園に出場し、試合慣れしている経験豊富な選手達が多いが、大森学園がどのような策をとって、二松学舎大附に立ち向かっていくのかが3回戦のポイントになってくる。

(文=高校野球ドットコム編集部)

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