清教学園が終始貫いた攻めの姿勢

 打撃には自信がある、清教学園の攻撃からはそんなチームカラーがひしひしと伝わってくるようだった。犠打をするのかと思いきや構えだけ、エンドランを多用する攻撃を初回から続けていた清教学園が最後まで攻めの姿勢を貫き計7得点、7回までは2対2だったが終盤の猛攻で堺上を突き放し初戦を突破した。

 清教学園は初回、二死から3番・引地 涼介(3年)が四球で出塁すると、4番・西尾 裕也(3年)のカウントが2ボールとなりストライクを取りにくる場面になるとエンドランを敢行。2回にも先頭の森 恭士朗(3年)が死球を受け6番・今掛 翔太(2年)が2ボールからバントを1球ファールにするとヒッティング。3回にも無死一塁から9番・藤澤 昴紀(3年)の2球目にエンドランを仕掛けると通常ならセカンドの守備範囲の打球がライト前に抜け一、三塁とチャンス拡大。2番・長畑 颯太(3年)の2点タイムリースリーベースを呼び込んだ。この一打で初回に2失点しながら試合を振り出しに戻してもらったのが先発マウンドを任された飯田 侑哉(2年)。ストレートもスライダーもしっかり腕を振り2回以降は無失点ピッチングを続けていた。

 2009年以来6年ぶりの夏の勝利を目指す堺上は初回に好打者・山脇 司(3年)のツーベースからチャンスを作り4番・金沢 健生(3年)のタイムリーで2点を先制。しかしその後は打線が沈黙すると、粘りのピッチングを続けていたエース・中前 皓右(3年)が8回に清教学園打線につかまる。

 先頭・長畑の当たり損ないが内野安打になるとその後5人連続で打球を外野に運ばれる。引地のバスターエンドランが決まりライト前に弾き返されると引地は送球間に二塁に到達。同点の8回、無死二、三塁のピンチで打席に迎えるは清教学園の最強打者、4番・キャプテンの西尾。慎重な入りから3ボール1ストライクとカウントを悪くすると飛距離十分のフライをセンターに打たれる。これが犠牲フライとなり長畑が勝ち越しのホームを踏むと同時に二走・引地もタッチアップで三塁に進塁。一死三塁から代打・奥野 祥生(2年)の打球はミスを誘い、4点目を失うとこの後さらに2失点。8回途中からリリーフした野口 航(2年)も9回に満塁のピンチを作りマウンドを降りると、3番手としてサードを守っていた坂下 敏紀(3年)がマウンドに上がるが、押し出しの死球を与えてしまう。

 対照的に清教学園は先発・飯田が6回2失点と試合を作ると、終盤3イニングは安井 祐太(2年)が1安打無失点と付け入る隙を与えなかった。初回から力強いスイングで相手投手にプレッシャーをかけ球数が100球に差し掛かった頃に一気に攻略する、清教学園が持ち味を発揮し初戦を突破した。

(文=小中 翔太)

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