延長12回の死闘!!都立富士森・江原の勝ち越し三塁打が勝負を決めた!

 府中市民球場での第二試合は都立府中工vs都立富士森の試合。

 都立府中工の先発右腕・鈴木 達也は181センチ、77キロの素晴らしい体格から放る球は重みがボールで都立富士森打線を苦しめている。都立富士森先発の小川 祐成も凄みはないが左腕から丁寧にコースを突く投球でいい当たりはされるも、得点までは許さない。

 両校は再三チャンスを作るも固い守り披露し 7回表までは0更新が続く。都立府中工の鈴木にいたっては7回表までノーヒットピッチングを披露。

 鈴木、小川の力投で見応えある投手戦になったが、試合が動いたのは7回裏。都立府中工の4番・上杉 泰賀が安打を放ち、すかさず盗塁成功。一死二塁で6番・高橋 洵介が外寄りの球を左中間へ弾き返し、先制タイムリーとなり1点先制。しびれる展開が続いたことから球場全体からもこの日一番大きな歓声が沸き起こった。

 振りきりたい都立府中工であったが、8回表。ノーヒットピッチングを続けていた鈴木が初安打を許す展開に。都立府中工ベンチは好投していた鈴木であったが、ここで右サイドスローの平賀 龍太をマウンドへ。しかし二死二、三塁とピンチを広げてしまう。

 初安打をきっかけに掴んだチャンスで都立富士森のベンチ・応援席から、打席にいる柏田 悠祐にこの日一番の声援を送る。期待に応えた柏田は左安打を放ち、まず1点。二塁走者も生還を狙うがここは得点ならず。1対1と両校の1点を巡る戦いが続く。

 9回裏、都立府中工は安打、相手のミスでチャンスを作り、二死満塁。前の打席で二塁打を放っている9番・平賀に回る。期待がかかる場面であったが相手のファインプレーもあり得点ならず。都立府中工は絶好のサヨナラ機を逃してしまう。試合は延長戦に。

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 都立府中工は10回裏。再びチャンスを作り、二死一、三塁。ここの得点機も1点を奪うことができず、9回裏に引き続き、2度のサヨナラ機を逃してしまう。攻撃に淡白さが目立ってしまう。

 2度のピンチを抑えた都立富士森。途中からマウンドに上がっている穴澤 洋を盛り立てる声かけとともに、「絶対諦めるなよ!」とメンバー達を鼓舞する声が応援席でも戦っている生徒達から送られる。11回表、二死三塁と勝ち越しのチャンスを作るが、得点にはならなかった。都立府中工がここは踏ん張った。ピンチを凌いだ、都立府中工。二死から8番・福田 匠が右中間へ三塁打を放ち、再びチャンスを演出。9番・平賀に期待がかかったが得点ならず。またもサヨナラ勝利のチャンスを逃してしまう。

 延長11回を超えて、選手も明らかに疲労が見え始めている。ここから我慢比べになってくるのか。

 そして、遂に均衡やぶれるときがきた。12回表、都立富士森が適時打でチャンスを作り、1番・江原 直樹が決定打となる、勝ち越し2点タイムリー三塁打。この試合、初めて都立富士森がリードする展開に。

 粘る都立府中工は12回裏も決して諦めず、連続安打で二死一、二塁のチャンスを作ったがあと一歩及ばず。都立富士森が都立府中工を激闘の末、3対1で破った。都立富士森ナインは勝利の瞬間、ホームベース付近で歓喜の輪ができるほど、喜びを爆発させた。

 初戦敗退となってしまった都立府中工。相手投手陣から14安打を放ち、試合を優位に進めたが、3度の決定打不足に勝利が遠くなってしまう結果に。

 総力戦で勝利を果たした都立富士森ナインの次戦の戦いぶりにも期待しよう。

(文=高校野球ドットコム編集部)

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