中国メディアの科技新報は3日、大気汚染物質のPM2.5について「呼吸器疾患のほか心血管疾患を招くことは多くの研究で実証されている」と伝える一方、最新の研究の結果、PM2.5が脳にもダメージを与えるリスクがあることが分かった。(イメージ写真提供:(C)captainimages/123RF.COM)

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 中国メディアの科技新報は3日、大気汚染物質のPM2.5について「呼吸器疾患のほか心血管疾患を招くことは多くの研究で実証されている」と伝える一方、最新の研究の結果、PM2.5が脳にもダメージを与えるリスクがあることが分かった。

 記事は、アメリカ心臓協会(America Heart Association:AHA)が発行する学術雑誌「Stroke」に掲載された研究報告を引用し、ベス・イスラエル・メディカルセンターが米国のニューイングランド地方の60歳以上の943人の健康な男女を対象に居住地域の大気汚染と脳に与える影響について調査が行ったことを紹介した。

 続けて、空気中に含まれるPM2.5の量が1立方メートル当たり2マイクログラム(μg/m3)増えるごとに脳が萎縮する確立が0.32%ずつ増加すると伝え、同数値は「脳が老化によって自然に萎縮する程度の1年分に相当する」と紹介した。

 さらに、同研究ではPM2.5の量が増えるごとに、無症候性脳血管障害を発症する確率も高まることが分かったと紹介。無症候性脳血管障害は脳のCTスキャンでなければ発見することが困難であると伝えた。

 また記事は、大気汚染がヒトの脳にどの程度の影響を与えるかははっきりとはわかっていないとする一方、脳の萎縮と脳疾患の程度は一定の相関性がある可能性もあるとし、大気汚染が脳疾患を深刻化させる可能性が疑われていると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)captainimages/123RF.COM)