長打攻勢と足を絡めた攻撃で大量点を奪った明秀日立、7回コールドで決勝へ!

完投勝利を挙げた大友喬太(明秀日立)

 春季茨城県大会準決勝、第2試合は第2シード・明秀学園日立と守谷というカード。明秀学園日立は9年ぶりの4強。守谷は春、夏、秋を通じて初の4強入りだ。

 明秀学園日立の先発は背番号11の長身右腕・大友 喬太。守谷はエース右腕・中塚 智(2年、取手シニア)だ。中塚はここまでの3試合を1人で投げ抜き、なんと自責点0、もちろん防御率0.00だ。

 先手を取ったのは明秀学園日立だった。1回裏、1番・関俊輔が四球で出塁し、盗塁とパスボールなどで一死三塁とすると、3番・森下 慶四郎のセンター前ヒットで1点を先制する。さらに盗塁などで二死二塁から5番・細川成也(2年、いわきシニア)の右中間二塁打で1点を追加。この回2点を奪う。(守谷0−2明秀学園日立)

 守谷は3回表に反撃に出る。先頭の1番・遠藤圭悟(2年、取手シニア)がレフト前ヒットで出塁し、送って一死二塁。続く3番・寺嶋 一也はセンター前タイムリーを放ち1点を返す。(守谷1−2明秀学園日立)

 1点差に詰め寄られた明秀学園日立は、5回裏に突き放す。先頭の8番・内田智也(2年、いわきシニア)がセンター前ヒットで出塁し、犠打と四球で一死一、二塁とすると、2番・永濱 滉汰がライト越え二塁打を放ち1点。さらに中継ミスの間に一走・関まで生還する。一死二塁から、3番・森下のピッチャー強襲内野安打で一死一、三塁。4番・中村健のショートゴロは本塁憤死で二死一、二塁となるが、5番・細川が2打席連続となるライトオーバーの二塁打を放ち2者が生還。この回明秀学園日立が4点を追加する。(守谷1−6明秀学園日立)

今後の成長が期待される守谷先発の中塚

 7回裏、明秀学園日立は先頭の1番・関が右中間三塁打で出塁すると、2番・永濱のレフト前ヒットで1点を追加。ここで守谷は2番手に吉波亮をマウンドへ送る。続く3番・森下はライト前ヒットと盗塁などで二死二、三塁。最後は6番・有住 隆哉のライトオーバータイムリーで1点を追加。7点差とし7回コールドゲームが成立する。(守谷1−8明秀学園日立)

 第2シード・明秀学園日立が守谷を下し、関東大会出場を決めた。決勝戦は秋に続いて2季連続で常総学院vs明秀学園日立というカードになった。

 守谷先発の中塚は横滑りするスライダーがあり、なかなか打ちづらそうだ。走者を背負ってからは間合いを長く保ち、打者に合わせない。一冬で球速が10キロアップしたというストレートはまだ130キロには達してないようだが、ストライクゾーンを目一杯広く使って打者の裏をかく投球で、ここまで勝ち上がったように感じた。今後も注目していきたい右腕だ。

 一方、明秀学園日立は長打攻勢と足を絡めた攻撃で大量点を奪った。秋とは多少打順も守備位置も変わっているが、それは言い換えれば誰でも中軸が打てるということだろう。7回完投した大友 喬太は昨秋は前足を挙げると同時に、右手をトップの位置に持ってくる独特なフォームをしていたが、今回は普通のフォームに戻っていた。また、1年秋に見たときは左足の膝の突っ張りが顕著だったが、その部分も修正されていることが確認できた。

 次戦は常総学院と夏の第1シードを決める決勝戦だ。明秀学園日立が初の第1シードとなれるか、はたまた常総学院が譲らないか、意地の対決に注目が集まる。

(文=伊達 康)