エースが今大会初登板!

齋藤祐太(智辯和歌山)

 智辯和歌山はエース・齋藤 祐太(3年)が今大会4試合目にして初登板。高嶋仁監督は、「大会に入ると練習試合もできないので、投げたくて、投げたくてしょうがなかった」とエースの心情を汲み取り、夏の和歌山大会シード権が懸かった準々決勝で先発させることを決めた。

 結果を先に記せば、6安打1失点で完投。9回、熊野の先頭打者であった3番・林大記(3年)に「油断しました」と初球をレフトスタンドに運ばれ、完封を逃して少し残念そうな表情を浮かべた。

 打つ方では3安打2打点と活躍。3番・山本 龍河、4番・西山 統麻、5番・春野 航輝(いずれも3年)が中々打てず、高嶋監督は「クリーンアップがダメで、下位打線で点をとる」と嘆くなかで9番ピッチャーが自分で打ってピッチングを楽にした。

 秋は和歌山大会準々決勝で日高中津に敗れて近畿大会に進めず。選抜出場を逃した。長い冬を「辛かったが、ひたすら走り込んだ」という左腕は、体重が約5キロアップして73キロから74キロになったという。その効果もあって、球の力強さは見ていてもはっきりと増しているのがわかる。

 夏も2年連続和歌山大会で敗退し、夏の甲子園を知らない選手構成になった。齋藤は、「僕が投げて高嶋先生を甲子園に連れていってあげたい」と夏一本で考えている気持ちを話した。

 一方、敗れた熊野だが、3回からロングリリーフした背番号11の新宅優也(3年)が力投。智辯和歌山のクリーンアップを、9回のヒット2本に抑えた。エースで4番の坂本公志(3年)から新宅への継投が必勝の形。夏の和歌山大会は6年連続で敗れているが、久しぶりに勝てるだけの戦力は十分についている。