花咲徳栄vs大宮北
完投勝利を挙げた花咲徳栄・高橋
元々スロースターターの花咲徳栄だが、今大会も例外なく苦しい初戦となった。
大宮北がエースの青柳、花咲徳栄は2年生左腕の高橋が先発して始まったこの試合、序盤は両投手がお互いの持ち味を出し無得点で進んだ。青柳はスリークウォーター気味の腕の位置からボールを動かし、花咲徳栄打線に的を絞らせない。一方の高橋もスピードこそ130km前半だが、テンポ、制球共に良く、大宮北打線を圧倒し5回まで相手に二塁も踏ませない好投をみせる。
先制したのは花咲徳栄だった。5回裏、二死から久々宇がレフト線への二塁打で出塁すると、ここで大宮北守備陣が乱れる。二塁牽制悪送球で久々宇は三進すると、さらにワイルドピッチで本塁へ生還し花咲徳栄が労せず1点を先制する。
7回裏には、この回先頭の高橋がセンター前ヒットで出塁するが、続く米澤が送りバントを失敗し走者を進めることができない。それでも1番・久々宇がセーフティーバントを決め一二塁とチャンスを広げると、続く太田のあたりはセカンドゴロとなり、併殺かと思われたが、一塁への送球が逸れ貴重な追加点が入る。さらに、3番・岡崎が死球で再び一二塁とすると、続く大瀧が右中間へ2点タイムリー二塁打を放ち、4対0と一気に大宮北を突き放す。
一方、7回まで高橋の前に、散発の3安打に抑え込まれていた大宮北打線が意地を見せる。8回表、この回先頭の堤が四球で出塁すると、続く森泉がバスターを決め無死一、二塁とする。ここで8番・月山がきっちりと送り二、三塁とすると、続く杉本の所でスクイズを敢行するが、三走が本塁憤死し結果は失敗に終わる。これでチャンスは潰えたかと思われたが二死後、1番・山岸がレフト前タイムリーを放ち1点を返すが、反撃もここまで。結局、高橋が最終回は立ち直りきっちり抑え4対1で花咲徳栄が勝利した。
この試合は、どちらかというと大宮北ペースのゲームであったであろう。青柳も最後まで花咲徳栄打線に的を絞らせなかった。だが、勝負所で守備が乱れてしまった。エースは計算できるだけに夏までに守備の強化は急務であろう。
一方の花咲徳栄だが、結局最後まで青柳を捉えることはできなかった。この試合勝ちはしたが得点はほとんど相手からもらった得点であり、攻撃でもバント、エンドランの失敗なども多く決して褒められない内容であった。打倒浦和学院の一番手に挙がる潜在力のあるチームであるだけに、次の試合できっちり修正できるか。
（文＝南 英博）
