中国メディアの環球網は17日、英デーリー・メールがこのほど「中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)は米中の“ソフトパワーの戦い”が始まったことを意味する」と報じたことを紹介した。(イメージ写真提供:(C)everythingpossible/123RF.COM)

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 中国メディアの環球網は17日、英デーリー・メールがこのほど「中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)は米中の“ソフトパワーの戦い”が始まったことを意味する」と報じたことを紹介した。

 記事は、元米財務長官のローレンス・サマーズ氏が「AIIBは世界のリーダーとしての米国の地位に打撃を与える存在」と指摘したことを紹介し、AIIBが中国から誕生したことは「米国が世界経済の舵を取るリーダーとしての地位を失いつつあることを示す」と論じたことを伝えた。

 続けて、ドルが基軸通貨となるきっかけとなった1944年のブレトン・ウッズ協定以降、AIIBの誕生ほど大きな「事件」はこれまで起きたことがなかったと伝え、「米国は英国をはじめとする同盟国のAIIB参加を食い止めることが出来なかった」と論じた。

 さらに記事は、AIIBについて「アジアの世界銀行と見なされている」と胸を張ったうえ、日本が主導するアジア開発銀行と肩を並べる存在になる可能性もあるとの見方を示し、「事実、米国はAIIBが太平洋沿岸の多くの同盟国に影響を及ぼす、“米中の火種”と認識している」と主張。

 また、欧州各国がAIIBに加入したことは「世界中のいかなる国も中国と協力する機会を放棄したくないと考えていることを示す」とし、多くの専門家からは「米国は世界経済が新しい時代を迎えたことを認識する必要がある」との指摘が相次いだと論じた。

 続けて、米国で新しい大統領が選出されればAIIBに対する態度も変わる可能性もあると伝えたほか、AIIBを通じて中国は人民元の国際化を実現できる可能性を示唆し、中国はAIIBをめぐる一連の駆け引きにおいて「勝者になる」との見方を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)everythingpossible/123RF.COM)