ジャイアンツと正式契約を結んだ青木宣親 [Getty Images]

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 ヤンキースからFAとなっていたイチローが23日、マーリンズと1年契約で合意した。大リーグ15年目を迎えるイチローにとって、指名打者制度のないナ・リーグ移籍は初めてとなる。

 また、同じくロイヤルズをFAとなっていた青木宣親もジャイアンツへ移籍。日本屈指のバットマンが来季は揃ってナ・リーグへ移籍することになった。

 これで今季のア・リーグには、現時点でメジャー契約の日本人野手はゼロ。例年のごとく、ブルージェイズとマイナー契約を交わした川崎宗則の早期メジャー昇格が期待されるが、同じくマイナー契約の加藤豪将(ヤンキース)も含め、ア・リーグ球団に在籍する日本人野手はこの二人だけだ。

 昨季のア・リーグには、ヤンキース、レッドソックス、ブルージェイズが所属する東地区に日本人選手が集中。それにより、イチローvs上原浩治、川崎vs田中将大など定期的に日本人対決が実現した。しかし、イチローと青木が揃ってナ・リーグへ移籍したことで、日本人による投打の対決は大幅に減少することになりそうだ。

 それでも今季のインターリーグでは、レンジャーズvsジャイアンツ、ヤンキースvsマーリンズなどが予定されており、メジャーでは未だ実現していない青木vsダルビッシュ。そしてイチローvs田中の元同僚対決にも期待が膨らむ。

 一方のナ・リーグには、今季から背番号18を背負い先発ローテーション入りが期待される和田毅がカブスに在籍。そこに同地区ではないがイチローと青木が加わったことで、新たな日本人対決の可能性が若干高まった。特に和田と青木の“早大対決”には期待したい。

 今オフはプロ野球の大物選手が次々とメジャー移籍を断念。さらに、黒田博樹、松坂大輔、中島裕之、田中賢介が日本球界復帰を果たしたことで、メジャーの日本人選手の割合自体が減少した。

 それでも投手陣には、ダルビッシュや田中、さらに上原、岩隈久志、田沢純一など実績ある精鋭が揃い、新天地での戦いに挑むイチローや青木のバットにも期待かかる。今季もそれぞれがベストを尽くし、改めて日本人選手の良質ぶりを証明してほしいところだ。

<2015年:メジャー球団に在籍する日本人選手>

●ア・リーグ

【東地区】

ヤンキース:田中将大、加藤豪将※

ブルージェイズ:川崎宗則※

レッドソックス:上原浩治、田沢純一

【西地区】

マリナーズ:岩隈久志

レンジャーズ:ダルビッシュ有、藤川球児、冨田康祐※

●ナ・リーグ

【東地区】

マーリンズ:イチロー

【中地区】

カブス:和田毅

【西地区】

ジャイアンツ:青木宣親 

※=マイナー契約