イチロー【写真:Getty Images】

ロイヤルズ戦で2安打し、打率は2割8分6厘と上昇

 ヤンキースイチロー外野手がメジャー通算3000安打の金字塔を打ち立てることは可能と地元メディアが予想している。地元紙ニューヨーク・ポストが「イチローは3000本安打まで雇用され続けるか」と特集している。

 名物コラムニストのジョエル・シャーマン記者は「(3000本安打達成に関しては)イエスと私は読む。スズキはもはやスターターではなく、毎試合先発するとほころびを露呈してしまう。10月に41歳に届いてしまうが、彼にはまだ能力がある。全盛期にエリートレベルだったスキルは減少しているものの、まだまだ能力は上位にいる。打率3割台の日々は過ぎ去ったが、彼の2割8分3厘の打率はヤンキースの200打数以上の打者でベストの数字だ」と現状を評価している。

 25日(日本時間26日)のロイヤルズ戦でイチローは8番ライトで先発。4打数2安打で、打率は2割8分6厘と上昇した。7月28日のレンジャーズ戦時点で2割6分9厘まで下げた打率をV字回復させている。

 打撃面のみならず、「盗塁においては13回中11回成功させるスピードを誇っている。外野の全ポジションを適切なレベルかそれ以上の守備力でこなせることができる」とも指摘している。

 また記事では、今季限りでヤンキースと契約満了となるイチローの来季の去就について、ナ・リーグ球団へのキャリア初挑戦が3000本安打達成の鍵になると分析している。

3000本安打達成のために「ナ・リーグの球団に移籍すべき」

「代打や代走、守備固め、故障者の代役などを務められるナ・リーグの球団に移籍すべき。そうすれば200〜300打席を手にすることを意味する。3000本安打達成にはあと2、3年プレーする必要があるが」と来季について指名打者のないナ・リーグでのプレーを推薦している。

 イチローは今季開幕時にはまさに外野手の5番手という扱いだったが、ここ7試合中6試合で先発し、プレーオフ進出を目指すヤンキースの怒濤の5連勝に貢献。オールスター後に一時期下降線を辿ったが、現在は2戦連続でマルチヒットを放つなど好調だ。

 24日のホワイトソックス戦ではリーグ最強左腕のクリス・セール投手を攻略し、左打者としては約1年以上ぶりに同投手から打点を挙げることに成功。セール相手に2安打2打点と結果を残したイチローに対し、同僚のブライアン・マッキャン捕手は絶賛。「イチローは素晴らしい。彼の試合に入る準備はアメージングとしか言えない。これまでもたくさんヒットを打ってきた。彼がビッグヒットを打ったとしても誰も驚かない」と語っている。

 高いプロ意識で大ケガと無縁の日々を送ってきたイチローは、現在メジャー通算2821安打。来季以降も活躍し、ぜひとも金字塔を打ち立ててもらいたいものだ。