盗難自転車をTwitterで見つけ出す、自転車都市サンフランシスコ市警の取り組み

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自転車を取り戻すために忍ばせたGPSと、すばらしいニュースを伝えるためのTwitterアカウント──サンフランシスコ市警察はこのようにして自転車泥棒と闘う。

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犯罪が行われていたら911番に電話を。自転車の盗難を見つけたら私たちに一言を──。

これは、近所の私立探偵事務所の宣伝ではない。サンフランシスコ市警察が、自転車泥棒と戦うためにTwitter上に公開したメッセージだ。サンフランシスコ市警察は、GPSとTwitterをベースにした自転車の盗難防止システムを発表した。

不心得者があなたの自転車を盗んだら? まず、自転車に取り付けられているGPSシステムが、その動きを警察に知らせる。警察はすぐにその自転車泥棒を追跡して、捕まえることができる。最後に自転車泥棒対策部は、Twitter公式アカウント(@SFPDBikeTheft)を通して、発見された自転車のスナップを公開する。自転車は所有者の手に戻ることになる。

これらの仕組みはすべて、「SAFE Bikes」によるものだ。サンフランシスコ市は彼らに75,000ドル以上の資金を提供し、盗難を2018年までに50%減らすことを目指す総合的な戦略の一環としている。

当局によると、サンフランシスコ市内では、2006年から2012年までの6年間で自転車の盗難が70%増加した。2012年だけでも、サンフランシスコでは、自転車利用者の被害が4,000件以上届け出られた。平均すると1日に12台で、2時間に1台だ。中心地区は、あっという間に自転車都市から泥棒の天国へと変貌した。


盗難防止システムの仕組みは、次のようなものだ。まず加入した自転車は、警察によって「おとり自転車」と定義される。取り付けられたGPS機器のサイズは非常に小さくて、さほど目立たないからだ。

ユーザーが負担するコストの詳細は明らかにされていないが、所有者が自転車に機器を取り付けるにあたって必要な手続きはオンライン上で公開されている。しかし、より重要なのは、同様のシステムを試験したウィスコンシン大学が公開したデータによれば、「『おとり自転車』によって、自転車の盗難を最大40%低下させることができる」ということだ。

自転車泥棒対策部のTwitterアカウントをフォローすると、所有している自転車が不心得者のカモになるのを避けるためにどうすればいいかについて、毎日のようにアドヴァイスが届けらる。例えば、泥棒に疑いを抱かせるために「これはおとり自転車かも?」というシールを自転車に貼ることや、素早い調査のためにプロジェクトのサイトへ自転車のシリアルナンバーを登録することなどだ。

対策が必要となったのには、サンフランシスコが自転車移動を推進しているという背景がある。自転車で移動をする住民の数がアメリカで5番目に多い都市になった当地だが、さらに自転車利用を促進するために、このGPSとTwitterをベースにした盗難対策システムを付け加えることになったのだ。

この監視システムは、すべての二輪車、特にオートバイに拡大するアイデアもある。自転車よりも複雑な電気系統を備えたオートバイは、システムの取り付けと組み込みに有利に働くはずだ。「おとり自転車」の次は、すぐに「おとりバイク」も運転できるようになるだろう。

いざそうなれば、すべての二輪車愛好者にとっての「最低の悪夢」も、それほど恐れずにすみそうだ。届け出を出さないうちに、ツイートが発見の知らせをもたらしてくれるだろうから。

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