伝説のバレエ団をコスチュームで振り返る「バレエ・リュス展」 - ピカソ、シャネル、マティスらも参加

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国立新美術館で2014年6月18日(水)から9月1日(月)までの期間、「魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展」が開催される。

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1909年、プロデューサーのセルゲイ・ディアギレフにより、鮮烈なデビューを果たしたバレエ・リュス(ロシア・バレエ)。伝説のバレエ団として知られる彼らだが、最大の特徴となっていたのは、単なる舞踊ではない「総合芸術」と言われる革新的なステージ。振り付け師、舞踊家、作曲家、文人、画家など、ディアギレフの才能を発掘する優れた手腕により、あらゆる担当に優れた才能を集め、大きな成功を収めた。パブロ・ピカソ、ジャン・コクトー、ココ・シャネル、アンリ・マティス……。彼らはそれぞれ、20世紀初頭のパリで名を馳せていたアーティストたちだが、実は共通してバレエ・リュスにも携わっていた。

この「バレエ・リュス展」では、オーストラリア国立美術館が有するバレエ・リュスのコスチューム・コレクション32演目・約140点の作品を中心に展示。デザイン画や資料も加え、歴史に衝撃を与えたバレエ・リュスの全貌を明らかにする。考え抜かれたデザインやカット、構造、鮮やかな色彩、装飾。多くの要素が混ざり合い、ダンサーの身体を想起させるコスチュームからは、当時のステージの空気感がひしひしと伝わってくるようだ。レオン・バクスト、アレクサンドル・ ブノワ、マティス、ジョルジュ・ブラックなど、デザイナーにもそうそうたる名前が並んでいる。

展覧会は、時期によって4つに分けられている。デビューを飾り、『火の鳥』『ペトルーシュカ』などの傑作が生まれた初期(1909〜1913年)、東洋趣味から一転しパリの前衛アーティストを起用、モダニズムと関わり始めた中期(1914〜1921年)、モダンで洗練された作品を多く生み出した後期(1921〜1929年)、そしてディアギレフが死去し、バレエ・リュスが解散した後の時期。それぞれの時代に沿って衣装を紹介するとともに、上演作品や文化的背景の変遷をたどる。

また、様々な分野から専門家を招いた、講演会やワークショップなどの開催も予定。モダン・バレエの礎を築いただけでなく、芸術に大きな変革をもたらしたバレエ・リュスの美しい世界は、100年以上が経った現在でも新鮮に映るはずだ。

【開催情報】
魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展
会  期:2014年6月18日(水)〜9月1日(月)
場所:国立新美術館 企画展示室1E
休館日:毎週火曜日。8月12日(火)は開館。
開館時間:10:00〜18:00 金曜日、8月16日(土)、23日(土)、30日(土)は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
料金:一般 1,500(1,300)円、大学生 1,200(1,000)円、高校生 600(400)円
※()内は前売り・20名以上の団体価格。
※中学生以下の方および障害者手帳をご持参の方(付き添いの方1名を含む)は入場無料。
※7月25日(金)、26日(土)、27日(日)は高校生無料観覧日(学生証の提示が必要)

■イベント
・講演会「Ballets Russes: The Art of Costume」
講師:ロバート・ベル(本展企画者、オーストラリア国立美術館装飾芸術・デザイン部門シニア・キュレーター)※逐次通訳付。
日時:6月18日(水)14:00-15:30
・講演会「バレエ・リュスの功績」
講師:薄井憲二氏(公益社団法人日本バレエ協会会長)
日時:7月13日(日)14:00〜15:30
・上映会「バレエ・リュス 踊る歓び、生きる歓び」(監督:ダン・ゲラー、デイナ・ゴールドファイン 2005年、118分)
日時:6月21日(土)および8月16日(土)10:30、13:00、15:30
・解説会
日時:7月11日(金)、8月15日(金) 18:30〜19:00
講師:本展担当研究員
※いずれも会場は国立新美術館3階講堂
※すべて定員250名(先着順)
※参加は無料。本展の観覧券(半券可)の提示が必要。

国立新美術館HP
URL:http://www.nact.jp/exhibition_special/2014/Ballets_Russes/index.html