世界シェアのトップ獲得で表面化したAndroidの課題

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2013年もあとわずか、今年もスマートフォン(スマホ)の話題が大きく注目を集めた一年でした。そこで、今年のスマホの話題を振り返ってみましょう。今回は、iPhoneを抜いて世界出荷シェアでトップとなったAndroidです。

大きな成功を手にしましたが、その陰にはまだ様々な問題もあるようです。


○低価格製品が大きく成長して世界シェアを獲得
Androidスマホは、アップルのiPhoneのように1機種、1価格での展開に比べ、1万円台からiPhoneと同価格のハイエンドまで、多種多様な製品を展開することで大きくシェアを伸ばし、世界のスマホ出荷数でNo.1を獲得しました。特に、低価格製品はアジアやヨーロッパなどでシェアを大きく伸ばしています。

しかし、注目を集める一方で、問題も表面化されました。


Android OSの不統一
シェアを大きくのばした低価格Androidスマホは、価格を抑えるためにハードウエアのスペックが抑えられています。搭載メモリが少ない機種が大半を占めており、最新のOS 4.xではなく、2.xを採用しているものも珍しくありません。

このため、Android OSの中で最新OS 4.xへの移行が思うように進まず、古いOSの搭載機種が市場に多く出回るという結果を招きました。せっかく投入した最新の機能や快適さを利用者に提供できず、旧OSのサポートも続けなければならないのは、悩ましい問題です。


○ハイエンド市場では、まだiPhoneに勝てない?
ハードウエアやカメラなどでiPhoneを上回る機能を搭載するGALAXYシリーズやXperiaシリーズの2製品ですが、機種別のシェアでは1位のiPhoneには大きく差を広げられています。

スマホ全体のシェアでは低価格スマホの成長でiPhoneを上回ったAndroidですが、ハイエンド市場だけをみれば、まだiPhoneに勝てているとは言えないでしょう。

もちろん、先述のように製品のバリエーションが多いということはハイエンド機種だけに注力はできないためiPhoneと差が生まれるのも当然の結果とも言えます。


○国内ではドコモのiPhone効果や国内メーカーの撤退でシェアが低下
2013年は、NTTドコモがiPhoneの販売を開始したことや、パナソニック、NECカシオがコンシューマー向けスマートフォン市場から撤退したこと、低価格帯の製品ラインアップが少なかったことが、Androidのシェアを下げる要因にもなりました。

個々の市場や戦略などを見ていくと、課題もあるAndroidですが、2014年に向けて明るい材料もあります。


Android 4.4の登場でOSシェアを大きく改善
大きな問題を抱えていたAndroidですが、最新バージョンとなる 4.4(開発コード名:KitKat)を発表したことで状況は好転しはじめています。

このAndroid 4.4は、低価格スマホのメモリ容量でも動作できるように対応したOSです。


○Xperia Z1などハイエンド機種でiPhoneに匹敵する製品の登場
国内で、NTTドコモのiPhone発売に大きな影響を受けたAndroidスマホは、動作速度やバッテリー問題などを解決し、製品完成度が大きく向上しました。

特にXperia Z1やAndroid 4.4搭載のNexus 5などはユーザーやメディアの評価でiPhoneを上回ることもあり、ハイエンド機種でも高い競争力を獲得しつつあると言えるかもしれません。


2013年は、世界市場での成功もあり、Android普及が大きく前進した年と言えます。Android 4.4の登場で最新OSへの移行問題に改善の目処が立っているほか、バッテリーや動作速度の改善、大型液晶ディスプレイの認知も進み、低価格市場だけでなく、ハイエンド市場の成長も期待されており、Androidにとっては真価が問われる年となりそうです。


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