日本人監督初!
 - 2009年、カンヌ国際映画祭に貢献した監督に授与される功労賞受賞時の河瀬直美監督

写真拡大

 映画監督の河瀬直美が今年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門の審査員を務めることが24日、同映画祭の公式サイト上にて発表された。日本人監督が同審査員を務めるのは初めてで、日本人の審査員としては1996年の故・石岡瑛子さん(デザイナー)以来17年ぶりとなる。

 河瀬監督は1997年に劇場長編映画デビュー作『萌の朱雀』でカンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)を受賞。2007年には『殯(もがり)の森』が同映画祭コンペティション部門で最高賞パルムドールに次ぐ審査員特別グランプリを受賞。2009年には、これまでクリント・イーストウッドやジム・ジャームッシュが受賞してきた功労賞を日本人で初めて受賞した。

 スティーヴン・スピルバーグが審査委員長を務める第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門の審査員として発表されたのは、河瀬監督のほかにもアン・リー監督、ニコール・キッドマン、クリストフ・ヴァルツなどそうそうたるメンバーたち。

 共に名を連ねることになった河瀬監督は「カンヌ映画祭の最高責任者チェリー・フェモーから『作品だけでなく、ひとりの人間としてあなたを審査委員のひとりに招待したいと思う』という連絡を、河瀬のメールに直接いただき、非常に名誉なことであり、光栄にも思い、慎んで引き受けさせていただきました。スピルバーグ監督を筆頭に、審査委員の一員として、また、日本人として恥じることのないよう、世界から選ばれし21 本の作品に真摯なまなざしで向き合いたいと思います」とコメントを寄せた。

 河瀬監督は現在生まれ育った奈良で「なら国際映画祭」を立ち上げ、世界で活躍する新鋭監督を奈良に招いて映画製作を行う「NARAtiveプロジェクト」のプロデュースなど、地元奈良から日本の文化を発信し続けている。なお、同コンペ部門には、日本から福山雅治主演、是枝裕和監督作『そして父になる』と、大沢たかお、松嶋菜々子、藤原竜也共演の三池崇史監督作『藁の楯 わらのたて』の2作品が選出されている。(編集部・森田真帆)

第66回カンヌ国際映画祭は5月15日から26日まで(現地時間)フランス・カンヌで開催