スポーツの指導の仕方、あり方の世界標準を、直接彼らから話を聞くことで得るものは大きいと思いますね。

東北以外の地域の方も仙台の会場まできていただければ、聴講できるような仕組みを考えています。

そして、24日にはウィリー・バンクス氏がアメリカでジュニアアスリートを育てるために主催している「ワールドレコードキャンプ」を石巻で開催します。

世界的なレジェンドアスリートに、被災地で頑張っているジュニアアスリート約80人に対して直接指導をしてもらうわけです。

――『東北スポーツサミット2013』を開催されるにあたり、オリンピック・パラリンピックと復興についてお聞かせください。

これまで復興支援のイベントの多くは、「被災地にも有名人が来る」ということで、被災された方たちの気持ちを明るくする“触れ合い”のイベントが主でした。

こうした活動はこれからも必要だとは思いますが、我々としては次のステップとして、より実質的な復興支援に取組んでいきたいと思っています。

具体的には、『東北スポーツサミット2013』に参加してくれた先生方や子どもたちが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで大活躍するきっかけにしたい。

東北出身のアスリートが活躍してこそ、真の意味での東京オリンピックの成功、そして被災地の復興の証だと思うのです。

東北と東京だけでなく、全国、世界にも訴えていける、スポーツと復興の融合したイベントとなれば何よりです。

――オリンピックへの思いと復興、どちらも日本の熱意として世界に届くことを祈っています。

ありがとうございました。

白井耀(しらいあきら)氏 プロフィール 1989年、早稲田大学政治経済学部卒業。

TV番組デイレクターを経て、CS放送会社にてスポーツ番組などの編成や放映権交渉などを担当。

2000年(株)サニーサイドアップに入社。

中田英寿ら所属アスリート関連のコンテンツ企画制作を中心にスポーツマーケティングに携わる。

2010年から(一財)東京マラソン財団のマーケティング本部長として、東京マラソンのチャリティ制度の導入や参加者の会員組織化、ライセンス事業など基盤作りに取り組んだ。

現在、(公財)東京都スポーツ文化事業団などが中心となるスポーツ推進プロジェクト「スポーツのチカラ Project」のチーフプロデューサーとして活動している。

(インタビュー・文/本折浩之)