侍、覚醒!

ついに侍が目覚めました。WBC2次ラウンドオランダ戦。侍ジャパンは先発全員安打、毎回得点、ソロ・ツーラン・スリーラン・満塁を含む合計6発のホームランと打線が大爆発。7回10点差というコールドゲームの条件を満たしてオランダを一蹴し、一番乗りで準決勝へ駒を進めました。

相手の投手はスタンドから見ても「球遅っ!」と驚くレベルの格下でした。しかも、ナックルボーラーか何かというわけでもなく普通に真っ直ぐを投げてくるのです。貧打と言っても、やはりそこは侍です。打つわ打つわの滅多打ち。2回までの3本のホームランで6-0となった時点で勝負アリでした。台湾戦で大きな峠を突き抜けたかのように、17安打16得点、フィーバー、フィーバー、大フィーバーの一戦となりました。

侍と他チームとの差はやはり投手力の部分にあると言えるでしょう。オランダ戦では昨年のセ最多勝・内海が完全決着後に2番手としてマウンドに上がりました。それがすぐ打たれると、勝ちゲーム用のセットアッパー山口を惜しげもなく投入。最後の勝戦処理には沢村賞投手・涌井を使い捨てする余裕も。台湾戦であれだけ投手をつぎ込みながら、次戦にもこれだけの投手陣を揃えられる。これだけの質・量を揃えたチームは多くはないはずです。やはり野球は投手力…オランダの送り出した投手を見ながら、改めて侍ジャパンの強さを感じます。

さぁこれでアメリカ行きは決定しました。しかし、あくまでも目標は世界3連覇。侍は死闘を乗り越えたことで完全に覚醒しました。集中力が研ぎ澄まされました。「王者」としての強さを見せつけました。準備は出来ています。あとはやるだけ。世界3連覇へ向けて、Go to Americaです!

ということで、僕も侍のひとりとして戦った、10日のTBS中継による「WBC2次ラウンド 日本VSオランダ戦」をチェックしていきましょう。

◆台湾戦とは別の意味でチケットがフイになる、想定以上の大圧勝!

勝てば準決勝進出が決定する大一番。オランダ代表はヤクルトのバレンティン、楽天のアンドリュー・ジョーンズを中軸に据える強打のチーム。キューバとの対戦でも14安打を放ち、GAME4に勝ち上がってきました。

僕もこの一戦を見守るため、東京ドームを訪れました。ひとりの侍として。鎖帷子のごとく身にまとうは西武ライオンズのユニフォーム。その上に公式戦闘服・WBCオフィシャルシャツを羽織ります。周囲には「阪神の新井兄のユニフォームを着た侍(←選手会推し…?)」「DeNAのユニフォームを着た侍(←台湾代表の王溢正推し…?)」「背番号1の広島・前田のユニフォームを着た侍(←それ智徳じゃねぇか…)」など戦士たちが集結。気合もグッと高まります。

刀代わりに持つのはニッカンスポーツ。対戦相手の情報をチェックし、警戒心を高めます。流した汗を拭うタオル、返り血を拭くティッシュ、戦場を記録するカメラ。長期戦に備えたコンバット・レーションとしてカツサンド、カキフライ、ポテトフライ、ポッキーなどを携帯。さらに緊急消毒用アルコールとして、アサヒ・スーパードライを準備。いつ負傷をしても大丈夫な完全戦闘態勢で臨みます。

しかし、戦いはあっけなく終わります。

口火を切ったのは1番・鳥谷。ここまで4試合で12打席 5打数 0安打 4四球 1犠飛 2犠打 1盗塁という打率ゼロ割・出塁率4割の不思議成績。守備面では不慣れなセカンド・サードを任されながら無難にこなし、走塁面では台湾戦で勝利につながる盗塁を敢行。「ヒットを打つこと以外」すべての貢献をしてきました。僕の中の名探偵コナンも「あれー、この人、戦犯ぽいのに…」「でもこれといった落ち度がない…」「ていうか、打率ゼロ割のままヒーローになってきてる…」と扱いに苦慮したほど。

この日、その謎が解けました。鳥谷は戦犯ではなかったのです。

試合開始前のスタンドには、まだ台湾戦の余韻が残っていました。周辺の野球ファンも緊張感を漲らせ、「先制点が大事だな」「先に失点するわけにはいかないぞ」「とにかく1点、1点だ」とピリピリしていました。それを打ち破り、歓喜を爆発させた鳥谷の先制ホームラン。試合開始を告げる喚声が鳴り止まぬうちの先制弾は、まるでイチローがJAPANに帰って来たかのようでさえありました。

↓稀に見る大花火大会の始まりを告げる号砲が上がった!



この日は先制ホームランにつづき、2回にはツーベースも!

これで打率.200、出塁率.400、長打率.600、OPSは1.000!

八百長でも再現できない精密不思議成績wwww

オランダの投手は予定していた選手が怪我だそうですが、やはり層の薄さは否めません。この試合の先発は130キロ前後のストレートと、チェンジアップの組み合わせでピッチングを組み立ててくるタイプ。特筆すべきボールはなく、まるでバッティング練習のよう。2回には真ん中高めを松田に叩かれツーラン、さらに内川にはチェンジアップを完全に捕らえられスリーラン。

仕方ないので次の投手を送り出すも、まるで負けるの前提でキューバ戦に投手を温存しているかのように、打ち頃の球がビュンビュン飛んできます。稲葉のソロ、糸井のツーランと次々に飛び出す一発。日本は何と4回まで「毎回ホームラン」という大爆発。あまりに打ちやすくて、逆に調子が狂いそうです。

すると、場内にはWBCのルール紹介が。前回大会でもありましたが、2次ラウンドまでは「5回15点差、7回10点差」でコールドが成立してしまうのです。4回終了時点で日本は10得点無失点。完全にコールドを視界にとらえてきました。そして、僕の戦いも「コールドになる前につまみを食べきる」「コールドの前にできるだけ飲む」「試合後の2次会を行なう」という形で一段レベルアップ。東京ドームは巨大な居酒屋と化していきます。

5回は二死からツーベース2本とエラーが絡んで1点追加し11点目。辛くも5回15点差コールドは逃れますが、僕はその時点でまだカキフライにノータッチの状態。残り2イニングですべてを食べきれるのか。残して持ち帰るのはしんどいぞ。台湾戦とは別の意味で胃が痛くなる戦いです。

せめて守備のほうで少し点をやってくれればいいのですが、侍・先発の前田は素晴らしいピッチング。夜のTBS「S☆1」によると、球場には「ダメそうな日は行きたくない」と明言する奥さま・早穂さんが駆けつけているとのこと。これなら前田の状態は太鼓判を押されたも同然。5回を投げてヒット1本9奪三振の完璧な内容の前田は、もう少し打線が点を取っていたら、球数制限があるWBCなのに「5回完封勝ち」となるところでした。

↓あまりの素晴らしさに山本監督は準決勝でのマエケン先発を明言!


って、何でそれ言うんだよwwwwwwwwwww

いくらバレバレでも別に言わんでいいだろwwwwwwwww

居酒屋で「準決勝はマエケンやな!」って言ってるオッサンと同レベルじゃねぇかwwww

試合開始までは「プラチナチケットをありがとう!!」と言っていた知人たちが、「今日は早く帰れそうだな」「日曜日だし助かりますね」「7回でこの値段か…まぁ今日はいい試合だしな」などと若干の心変わりを見せる6回。表の攻撃では、ヒットで出た中田を一塁に置いて、松田のタイムリーでさらに1点を追加。先発全員安打も達成し、これで12点目。7回コールドが濃厚になってきました。

そんな中、僕に救世主が降臨します。それは次戦での先発という憶測もあった内海哲也。内海が2番手として6回からマウンドに上がると、いきなり四球→安打→死球→二塁打で一挙3失点。尻拭いに引きずり出された山口も、内海の残した走者を1人帰して合計4失点。この時点で12-4となり、一旦7回コールド圏内を脱したのです。

死球の直前には、完全に見逃し三振と思われた1球が主審にスルーされるという事件がありました。バレンティンの二塁打の際には、糸井が打球判断を誤って頭を越されるという事件がありました。それは東京ドームの売店の差し金か、はたまた粋なファンサービスか。とにかく流れは僕に向いています。僕のチケットが2イニング削られる危機が一旦去ったのです!

↓と思ったら、直後の7回表に坂本が満塁ホームランで4点奪還!


巨人の尻拭い半端ないwwwwwwwwww

ソロ、ツーラン、スリーラン、そして満塁wwwwww

日曜劇場「とんび」ファンからの「もう終われよ」「コールドでも何でもいいから」「こっちは3週連続待たされてるんだよ」という怨嗟の声が打球を後押ししたのか。はたまた僕がカキフライを食べ終わりポッキーの段階であることが野球の神様にバレたのか。よもやの満塁弾で再び試合はコールド圏内に。

7回には「コイツなら3点取られるかも?」と西武の中継ぎ・涌井をマウンドに送るも、もはやコールドを回避するチカラは日本にもオランダにもありませんでした。侍ジャパンは2次ラウンドでコールド勝ちを演じるという圧倒的な強さを見せつけ、僕のチケットは7回で効果を失ったのです。嬉しい悲鳴とともに…!

それにしても強かった侍ジャパン。

今日の大爆発は2年間苦しんできた統一球野球の賜物と言えるでしょう。とにかく飛ばないあのボールと格闘しながら、芯でとらえることを意識し、飛ばないなりに打球を飛ばしてきた面々が今の侍たち。なかなかどちらがというデータはありませんが、WBC球は統一球よりだいぶ飛ぶボールなのではないでしょうか。だとすれば、格下の投手が投げる棒球、東京ドーム、侍のミート力、3つが重なればこれだけの花火大会となるのも当然です。

封じてきたチカラを解放するかのように爆発した侍打線。この勢いで世界3連覇へ打って打って打ちまくってほしいもの。「大量得点のあとは点が取れなくなる」なんて言いますが、次戦は負けても勝っても問題ない試合。そこで厄落としをして、堂々アメリカに乗り込みましょう!

↓夜のTBS「S☆1」では解説の槙原さんが「このボール飛ぶね」と高笑い!
司会の田中さん:「何で今日、こんなに急にホームラン出たんだろう?」

田中:「ボールが変わったんじゃないかと思うくらい」

槙原:「今日ね、練習からボール飛んでた」

槙原:「みんな言ってた、ボール飛ぶって」

槙原:「日本のボールより全然飛ぶって。それはもうみんな言ってる」

槙原:「今日飛ぶボールでやってるみたいだもんね。全部上段」

何だったんだよ統一球ってwwwwwww

滑りも違うし、飛びも違うし、面白くないって三重苦wwww

国際大会に合わせたんじゃなく、国際大会に備えた苦行か何かかwww

↓殊勲の前田健太も打線の頼もしさに大満足!


マエケン:「野手のみなさんが早めにたくさん点を取ってくれたので」
マエケン:「今日は野手のみなさんのおかげです」
マエケン:「打線の援護のおかげですごくラクに投げれました」

みなまで言わせるなよ、広島もこれぐらい打てってことだよ!

僕が奥さんなら「このお金、この打線じゃウチの健太がかわいそうです」「WBCで売り込みが済んだらアメリカに行かせていただきます」「えぇ、現地では黒田さんも応援してくださってますし」くらい言うところですからね!

台湾戦とは違った意味で歴史的な一戦!7回コールドでも十分満足です!