【映画】2013年注目作・名作に見る、映画とタバコの意外な関係

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昔からタバコは、映画の中の重要な小道具として用いられてきた。ジェームズ・ディーンやマーロン・ブランド、スティーブ・マックィーン、ポール・ニューマンといった銀幕のスターたちの姿に憧れてタバコを吸い始めた方も少なくないだろう。ここではそんな一コマをとらえたこの先公開の注目作や、「かっこいい!」と思わず唸る、名作映画を紹介しよう。

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■一服するシーンに胸が熱くなる、この先注目の新作を一挙紹介!

まずは注目の新作から。『フライト』はアカデミー賞2部門にノミネートされた人間ドラマだ。アカデミー主演男優賞候補となったデンゼル・ワシントンが演じるのは、飛行機事故の大惨事から多くの乗客を救ったパイロット。重傷を負って入院した彼は非常階段に出て、こっそり一服しようとするが、そこで同じ目的を持つ入院患者たちと鉢合わせして苦笑いしつつ会話を交わす。このようなコミュニケーションは、職場の喫煙所でもよく見られる風景。話が合えば、主人公のように相手と恋が芽生えることもあるかもしれない。

一方、ワシントンとアカデミー賞を競ったホアキン・フェニックス主演の『ザ・マスター』は、ある意味、これとは逆。フェニックスが扮した、第二次大戦時代の心の傷にさいなまれる兵士は信仰さえも救いにならず、イライラをつのらせてはアルコールとタバコに手を伸ばす。彼にとって、タバコは孤独を癒す友人にも似たアイテムなのかもしれない。

これらに比べると1950年代を背景にした犯罪アクション『L.A.ギャング ストーリー』で、『ドライブ』の注目株ライアン・ゴズリングが扮した若い刑事の喫煙はずっとスマート。バーでグラスを傾けながら、タバコをくゆらせる姿は正統派のスモーカー。昔ながらのスクリーンのヒーローといったクールな雰囲気を漂わせており、実に魅力的だ。

ヒーローと言えば、鬼才クエンティン・タランティーノが放つマカロニウエスタン『ジャンゴ 繋がれざる者』でジェイミー・フォックス(写真左)が扮したガンマンもクールなスモーカー。愛する妻を救おうとするストイックな姿勢にタバコを吸う姿が映えるばかりか、結末では最高に痛快な喫煙ポーズを見せてくれるので、ぜひ注目して欲しい。

犯罪ドラマ『ジャッキー・コーガン』でブラッド・ピットが演じる主人公の殺し屋も、かっこよさでは引けを取らない。“優しく殺す”ことをモットーとするこの伊達男は、車に乗る度にタバコを吸う。ドライブの心地よさにタバコが拍車をかけているかのようで、スモーカーとしては頷けるものがある。

■映画を見た後、思わずタバコが吸いたくなってしまう名作をチェック!

続いて、タバコが印象的な定番の必見作を振り返ってみよう。カリスマ的な作家ポール・オースターの原作に基づく『SMOKE』は、ブルックリンのタバコ屋に集う人々の群像を描いた人間ドラマ。愛する者を失った喪失感や、それでも続く苦み。そんな人生の重さがタバコの煙のように揺らぎつつ消え、哀愁を漂わせつつ希望を謳う。姉妹編の『ブルー・イン・フェイス』ともども必見だ。

ジム・ジャームッシュ監督の『コーヒー&シガレッツ』もスモーカーにはおなじみの一作。喫茶店を舞台にした十話のオムニバスで、いずれも登場人物がタイトルどおり、コーヒーとタバコを味わいながら会話をかわす、それだけの話だが、どの逸話にもユーモラスで味がある。気持ちの良い時間のパートナーとしてタバコが存在していることがよくわかる。

同じジャームッシュ作品では、『ナイト・オン・ザ・プラネット』に登場したウィノナ・ライダー扮する女性タクシー運転手が印象深い喫煙者だった。車を運転しながらガムを噛みつつタバコを吸う、きゃしゃな姿に似合わない豪快なキャラクター。いつも吸っている銘柄にちょっと飽きたと思ったら、真似してみるのも面白いかもしれない。

映画はタバコの吸い方のみならず、持ち方も教えてくれるものだが、ジョン・ウー監督のアクション『ブロークン・アロー』での、ジョン・トラボルタのタバコの持ち方は独特だった。人差し指と中指の間の根本でタバコを挟み、指を広げる姿が、実にサマになっている。ちなみにトラボルタは同じウー監督の『フェイス/オフ』では逆に指先でつまんで持っていたが、これはこれでやはり絵になる。

最後に、アクションの定番ということで、『ダイ・ハード』を取り上げよう。シリーズ最新作『ダイ・ハード/ラスト・デイ』(公開中)ではもはや禁煙していたが、ブルース・ウィリス扮する“世界一運の悪いヤツ”ことジョン・マクレーン刑事は、死闘を乗り切る度に疲れを癒すかのようにタバコをくわえていた。激務の狭間に吸う一服ほど旨いものはない。ある意味、大人の正しい吸い方と言えるかもしれない。

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