韓国木浦海洋警察署は17日午後、違法操業の取り締まりに際してゴム弾を発射し、中国人漁船員1人が死亡した事件で、発表の理由を「公務執行に暴力的に抵抗したため」と発表した。違法操業していた中国漁船は30隻以上だったという。中国新聞社が報じた。

 韓国海洋警察によると16日午後3時10分ごろ、全羅南道の紅島の北西の沖合い90海里の海上で、30隻以上の中国漁船が違法操業しているのを発見した。現場に海洋警察の船が急行したが、中国漁船のうち1隻が暴力的に抵抗した。同船に乗り込んだ警察官はゴム弾5発を発射。うち1発が中国人乗組員に命中した。乗組員は病院に搬送されたが、死亡した。

 韓国海洋警察は中国漁船2隻を拿捕(だほ)し、乗組員9人の身柄を拘束した。それとは別に、乗組員13人が身柄を拘束されたとの情報もある。

 中国政府・外交部の洪磊報道官は17日午後、本国政府と中国の駐光州総領事館が、韓国側に厳重に抗議したと説明した。韓国側にただちに公正で責任ある徹底調査を行い、責任者を処罰するよう求めたという。

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◆解説◆ ゴム弾は弾丸の1種で、大型獣の撃退や暴動の鎮圧に使われる。弾頭が硬質ゴムで作られている。射出すると弾頭部分が切れ目にそって開き、空気抵抗により急減速する。有効射程が短いので、ある程度離れた場所からの射撃を受けても致命傷となる恐れは小さいが、至近距離からの弾丸を受ければ、致命傷を負う可能性がある。(編集担当:如月隼人)