アオキのプレースタイルは、よくスズキと比較される。しかし彼はそれほどインパクトの有る選手ではない。スズキとマツイ以外のNPBからきた多くの野手は、メジャーリーガーとして多額の投資をしたにも拘わらず、その効果はもう一つだ。内野手のカズ・マツイ(3年、20.1百万ドル)、キャッチャーのケンジ・ジョージマ(3年、24百万ドル)、外野手のコウスケ・フクドメ(4年48百万ドル)、そしてニシオカ(3年9.25百万ドル)らだ。

ある評論家は、これらの選手の悲惨な成績が、NPB選手に対するそのチームの評価となり、日本でプレーする選手の評価につながっていると言った。曰く「もし君がレギュラーでプレーする選手を見ても、彼らを第4の外野手か、ユーティリティプレーヤーが良いところだと思うだろう。彼らが、そこでポジションを与えられて、それが私たちにフィットしていると思えても、グレードダウンになる」

オッペンハイマーは、「そこにいるエリート中のエリートは依然として素晴らしい。イチローは、他の誰よりも良かった。マツイについても、言うまでもないだろう。肉体的にも、彼は強かった。これらの選手は、日本でも最高だったし、ここでも活躍している」と言った。

16 年間にわたる日本からアメリカへの適応の歴史は、ダルビッシュのマーケットにどんな影響を与えるのだろう?それは簡単ではない。ある球団幹部の評価では、ダルビッシュは先発二番手の投手だ。他の意見は、「ローテーションのトップから真ん中辺りの投手である。彼には適応の問題を乗り越えられる大きくて強靭な肉体、そして年齢がある。そしてもし今年、彼が来るのならば、マーケットにいる他の先発投手と彼は明らかに違う。激しい争奪戦になるだろう」

ダルビッシュは、大きなストライドでスリークォーターから、90マイル半ばのファストボール、鋭い変化のスライダーやカッター、カーブボール、そしてチェンジアップを投げる。彼の素晴らしいコントロールは、1イニング当たり一人以上を三振に取り、ホームランを打たれることは稀だ。彼は投げる時に僅かに”手首を曲げて"ボールを体の後ろに隠す。彼の印象的な投球フォームは、デビッド・コーンの背を高くした感じだ。他の日本人投手と同じく、たまに長い回を投げたり、登板間隔を開けたりする。2010年に彼が一人で140球以上投げたのは9試合、ここ9年のどのメジャーリーガーよりも多い。今年、彼が140球を投げたのは1回だけだが、120球を15回投げている。2005年のリバン・ヘルナンデス以来、シーズンで15回も120球を投げたメジャーリーガーはいない。

ダルビッシュのポスティングフィーは、イワクマの19.1百万ドルからマツザカの51百万ドルが参考だが、Dice-Kのほうにより近いだろう。

他の球団幹部に、もしNPB選手の歴史を考えれば、ダルビッシュの価値は下がるのだろうかと尋ねたとき、彼はこう答えた。「明らかにノーだ。競争が厳しいマーケットでは、人々は歴史に目を瞑るか、この男が規格外である、この男は私達が知っている全ての他の選手より有能だって信じることなんだ。それは、全てのフリーエージェントにも当てはまる。選手の価値には二種類ある。我々が彼の正しい価値と呼んでいるもの、彼の本当の価値だ。そして彼がオープンマーケットで得るだろうと我々が考えるもの。この二つは、とても違うものになる傾向がある」

参考記事:Lack of success by Japanese stars opens debate about next wave Tom Verducci INSIDE BASEBALL SI.com
http://sportsillustrated.cnn.com/2011/writers/tom_verducci/11/15/japanese.players.yu.darvish/index.html?eref=writers