――阿部寛さんとは初めてのお仕事ということでしたが、第一印象はいかがでしたか?

桜庭:本当に存在感が大きくて、どうしよう。話しかけても良いのかな? という感じだったんですけど、実際に話してみると、すごく優しかったです。

――最初に話し掛けた時のことは覚えていますか?

桜庭:ご挨拶する時だったんですけど、タイミングを見計らって、「今、挨拶に行ってもいのかな?」とか「誰ともしゃべっていないから今かな?」とか、そういうことをやっていました(笑)

――タイミングを見計らったりするんですね(笑)。桜庭さんは、人と話すことに慣れていると思っていたのですが。

桜庭:いえいえ、全然! 最初は緊張しました。バンドメンバーもそうなんですけど、初めて会う人が多かったです。

――特に仲が良かった人はいますか?

桜庭:最終的には、みんなと仲良くなりましたね。ウィンくんとは、何度か共演していたんですけど、他の2人(矢野聖人、野村周平)とは初めてで。人見知りなので、最初は話せなかったんですけど、練習とかを重ねたりして、撮影後半になるにつれて仲良くなりました。

――阿部寛さんの話に戻りますが、演技についてどう思われましたか?

桜庭:亡くなる直前のシーンは、げっそりしていて、本当にリアルで心配になるほどでした。

――劇中で、阿部さん演じる陽さんに対して、反発するシーンがありましたが、大御所が相手で怖かったりしませんでしたか?

桜庭:撮影の最初のシーンだったので、結構緊張していたんですけど、阿部さんはすごく優しい方だったので。

――阿部さんの演じる陽さんに注目が集まりますが、ミムラさんが演じる奥さんも、良い形で陽さんを支えていましたよね。

桜庭:そうですね。「陽さんの奥さんは絶対に強い人で、対等にぶつかり合える夫婦じゃなきゃダメだから、すごく構えたお芝居をした」とミムラさんもおっしゃっていました。

――実際に陽さんのような男性が旦那さんだったら、桜庭さんは、支えていけますか?

桜庭:どうですかね。私もすごく活発だし、陽さんみたいな方は素敵ですね。

――突き進んでいる男性が好みということですかね。

桜庭:そうですね。

――陽さんの他にも、バンドメンバーなどたくさんの男性が登場しますが、その中で誰かひとり、恋人または旦那さんに選ぶとしたらどなたが良いですか?

桜庭:やっぱり陽さんですかね。すごく熱くて、心の底から人のことを思っていて、本当に素敵な人だなと思いました。

――でも、病気になった時に、桜庭さんが「バンドなんかいいから、病院に行きなよ!」と言っても、言うことを聞いてくれない男性ですよ。それでも大丈夫ですか?

桜庭:そういうところがいいです(笑)

――行動力のあるところも素敵に思えるということですか?

桜庭:なかなかこういう行動を起こせる人っていないと思うので、本当にすごいな、と思います。