左サイドのウィンガーを探していたユヴェントスのアントニオ・コンテ監督は、国際レベルの選手を手に入れることとなった。ハンブルガーSVに所属するオランダ代表MFエライロ・エリアが30日、代表チームの許可を受けてトリノに到着。同日夜にユヴェントスとの契約にサインをかわした。

ブンデスリーガ第４節を終えて最下位に低迷するHSVが、たった２年前にほぼ同じ金額で獲得した同選手を、1000万ユーロ（約11億円）で手放すことにしたのはなぜだろうか？　それは、エリアがブレイクし切れなかったことが理由かもしれない。

確かに、FWルート・ファン・ニステルローイが加入したことで、昨季のエリアはFWというよりもウィンガーとしてプレーしなければならなかった。ドイツでの２年目が、１年目と比べ、ゴールや見事なプレーが少なかったシーズンだったことは言わざるを得ない。また、マネジメントする上での若さという問題もある。

だが、本当に違いとなるのは、戦術的に成長できるかどうかだ。コンテ監督はその点において多くの仕事をしなければならない。まず、守備は本当にあまりやらず、一発を狙う傾向があり、チームメートとのコンビネーションが少ない。アシスト能力はあるが、チームの流れの中で生まれるというよりも、見事な個人技による結果であることが多いのだ。

最後に、左足の問題だ。ウィンガーが逆足サイドでプレーするときにアドバンテージとなるのは、中央に切り込んでシュートを放つときだが、逆に深い位置からクロスを送る際にはハンディキャップとなる。実際、エリアが中央にハイボールを送るのは右足のみで、左足では後ろにパスを戻すだけだ。

だが、エリアには全員を信じさせるための時間があるだろう。アヤックス時代にはそれに成功している。1400万人のユヴェントスファンは、エリアの獲得に不満を抱いているかもしれない。だが、アヤックスのファンのように、再び彼を信じたいと願っているはずだ。

なお、ユヴェントスはDFズネデク・グリゲラとの契約を解消したことを発表している。同選手は４シーズンでユヴェントスでの経験に終止符を打った。グリゲラはフラム移籍へ向かっている。