レオナルド監督の後任としてインテルにやってくることになったジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督は、どんな変化をもたらすのだろうか。まずは、彼の得意とする3−4−3のシステムでも、優勝は可能だということが実証されている。ヨハン・クライフのバルセロナや、ルイス・ファン・ハールのアヤックスがそうだったように…。ただ、ガスペリーニは3−4−3だけではない。4−3−3と3−5−2も選手たちに伝えることが可能だ。

ガスペリーニはジェノア時代、何度も3−4−3で試合に臨んだ。しかし、3−5−2、4−3−3、4−4−2も採用している。つまり、インテルの状況次第で使い分けができるということになるだろう。3−4−3が彼のシステムであることは間違いない。しかし、ガスペリーニはその素材を生かせる監督だ。

数字の上で、ガスペリーニは3バックを採用することが多い。ただ、実際には5バックだ。常にそうだというわけではないが、ボールを持っていない状態の場合、サイドの2人はDFの位置まで下がることになる。また、片方のサイドの2人のうち1人だけに下がるように命じて、4バックの形をとることもある。もちろん、試合中の動き方などはこれから教えていくべきことだが、ガスペリーニのサッカーでサイドは重要なパートになるだろう。

中盤のセンター2人も大きな役割を担うことになる。プレスをかけてボールを奪い、攻撃の起点となる。それを3バックの助けを借りながらこなしていかなければならない。そして、一番の鍵となるのが、最前線の選手だ。ガスペリーニはセンターフォワードに“あいまいな動き”を要求し続けている。要するに、右に左に流れたり、下がってボールを引き出したりする選手を求めているということだ。まさしく、FWディエゴ・ミリートのスタイルと一致する。

ウィングについては、FWサミュエル・エトーが左サイドに最適だ。ただ、献身的にカバーする姿勢も忘れてはならない。右サイドには、FWゴラン・パンデフがいる。MFヴェスレイ・スナイデルをサイドの選手として扱うよりは、パンデフの方が効果的かもしれない。ガスペリーニのチームでレギュラーになるためには、とにかくたくさん走らなければいけない。