ミランFWズラタン・イブラヒモビッチを止めるには、相手チームは「ズラタンが私を好きなのは、私が彼に抵抗できるからよ」と語る彼の妻、ヘレナ夫人を雇うしかないのだろうか?

20日のフィオレンティーナ戦で、同クラブのシニシャ・ミハイロビッチ監督は、ヘレナ夫人にスタジアムのスタンドではなく、ディフェンスラインにいて欲しいと思ったかもしれない。技術的にも肉体的にも、イブラに対抗できる選手がいないことで、彼はその両肩にミランを背負っている。フィオレンティーナ戦というハードルを乗り越えるうえでも、イブラはミランをけん引し、首位の座を確実しただけでなく、センターフォワード対決も制したのだ。

バルセロナ時代のイブラと比べて、現在の彼が素晴らしいのは、プレーへの関与である。フィオレンティーナ戦での彼は、ボールに71回触った。これは、チームメートたちが頻繁に彼を探し、そのほぼすべてでイブラを見つけていることを意味する。

一方、ミランDFアレッサンドロ・ネスタとDFチアゴ・シウバの間で、フィオレンティーナFWアルベルト・ジラルディーノはがボールに触れたのは42回。たくさん動き、たくさん頑張ったが、内容が伴わなかった。ミランゴールに向けて2本のシュートを放ったことが示すように、ジラルディーノもトライはしたのだが、チームメートからのサポートがなかったのだ。

完璧なまでのオーバーヘッドシュートは、イブラヒモビッチの技術的クオリティーを示しているが、彼の肉体的強さを物語るデータもある。イブラはチームメートたちのために、8度もポスト役をこなしているのだ。これは、彼が195センチの身長とその筋肉を使って、相手守備陣の前でボールを守り、クラレンス・セードルフやマシュー・フラミニ、そしてロビーニョといった選手たちが飛び込んでくるのを容易にしていることを意味している。

ジラルディーノもそのDNAにこういう特徴を刻んでおり、同じことをやろうとした。だが、その結果はどうだっただろうか? チームメートへのポストプレーは5回。だが、仲間たちはそれを生かすことができなかったのだ。