彼はインテルのことをずっと忘れないだろう。だが、レアル・マドリーを選び、決して愛すことのなかったイタリアサッカーに別れを告げた。だが、ジョゼ・モウリーニョ監督は口を閉ざすことはしていない。自らの後任であり、イタリア・スーパーカップを獲得するとともに、これから欧州スーパーカップとクラブワールドカップのタイトルを目指すラファエル・ベニテス監督に、厳しい言葉を突きつけている。

モウリーニョ監督はイギリス『スカイ・スポーツ』のインタビューで、次のように話している。

「彼(ベニテス監督)は私がやったような苦労をする必要がないだろう。彼の仕事は夢のようなものだ。私の仕事はそうじゃなかった。指揮官があるクラブに就任し、1カ月でイタリア・スーパーカップや欧州スーパーカップを獲得し、さらにクラブワールドカップにも勝つ可能性があるのなら、まさに天国だよ。私はレアルでベッケンバウアー杯に勝ち、アリエンテカップにも勝った。ベルナベウ杯にも勝てるかもしれない。だが、それらは夏のトロフィーでしかないんだ。指揮官が新しいクラブに行ったとき、チームを構築することを考えなければいけないが、ベニテスはそうじゃない。彼にはすでにすべてが用意されている。クラブも選手たちもね。彼のは仕事じゃなく、夢なのさ」

一方、自らの前任者であるロベルト・マンチーニ監督や、彼が率いるマンチェスター・シティについて、モウリーニョ監督はこのように語った。

「レアルとシティの歴史を比較することはできないが、財力という点ではまた別の話になる。彼らと争うのはとても難しいことだよ。私はマドリッドに来たとき、(アレクサンダー・)コラロフに関心を寄せていた。だが、彼らが彼を獲得すると決めたときには、彼らと争うことができなかったんだ」

また、モウリーニョ監督はプレミアリーグについて、「チェルシーとマンチェスター・ユナイテッド、そしてシティがタイトルを争うだろう。リヴァプールは難しいと思う。(ロイ・)ホジソン監督にとっては簡単じゃないだろうね」とコメントしている。

マンチーニ監督のマンCにとって新たな武器となり得るのが、先日獲得したFWマリオ・バロテッリだ。モウリーニョ監督はインテル時代に彼と何度も問題を抱えた。そのバロテッリについて、モウリーニョ監督はこう述べている。

「彼にはプレミア最高のストライカーの一人になるためのクオリティーがそろっている。信じられないポテンシャルを持った選手だよ。それに、マンチーニは彼のことをとてもよく知っている。彼にとっては、人間として成長する機会が訪れたんだ。ただ、18歳や19歳の若者にとって簡単じゃないことは、私も知っているけどね」