シティ・オブ・マンチェスター・スタジアムに立ったマンチーニ監督は、満員のスタンドから拍手で出迎えられた。そして、期待を持って自分の選手たちをストークとの一戦に送り出している。マンチーニの新たな挑戦がスタートを切った。マンチーニ監督率いるシティは、十分勝利に値する内容で、しっかりと白星を飾っている。

この一戦で勝ち点3を手にしたシティは、6位を堅持。同日の試合で首位チェルシーが引き分けたため、トップとの差は縮まった。チームの士気も高まることだろう。

シティのクラブカラーである水色と白のマフラーを身につけてベンチから指示を送ったマンチーニ監督には、多くの点で注目が集まっていた。中でも驚きだったのが、スターティングメンバーである。ここまでシティの攻撃を支えてきたFWクレイグ・ベラミーと、DFマイカー・リチャーズを先発から外したのだ。両選手とも後半途中から出場しているが、早くもマンチーニ監督の選ぶプレーヤーがヒューズ前監督と違うことを示した。

トニー・プリス監督率いるストークは、ホームゲームで見せるほど守備面でのキレがなかった。すると前半30分すぎ、ペトロフが素早く走り込んで先制点を奪うと、前半終了間際にはテベスにもゴールが生まれた。今シーズンのチームのカギを握る選手とも言えるテベスは、前半終了直前、アーリークロスをガレス・バリーが折り返したところに飛び込み、足を伸ばしてゴールネットを揺らしている。

後半のマンチーニ監督は、守護神シェイ・ギブンの安定感に感激することになる。また、その他の選手の調子についても確認しただろう。ブラジルのタレント、ロビーニョのムラっ気のほか、バリーやスティーヴン・アイルランド、ナイジェル・デ・ヨングといった中盤の関係もチェックしているはずだ。

試合後の指揮官は、「見事な試合だった。そして、選手たちはファンタスティックだよ。私にとって、この1週間はまずまずだった」とコメント。「ゴールを奪われることがなかったし、バランスを持って戦うことができた。終盤は少し疲れが出たが、ボールを持ってプレーを続けることが大事だったね」と分析している。

さらにギブンの好守を、「私は彼がイングランドで最高のGKだと思っている。世界でも上位4、5人の中に入るね」と絶賛。ロビーニョについても、「良いプレーをしていたよ。まぁ、70分で疲れてしまったから、カバーが必要になったけどね」と健闘を称えている。

そして、「もし我々がトップを狙うというなら、ハードにやっていかなければいけない。しかし、今は回復を優先する時間だ。2日半後には、すぐ次の試合がやってくるからね」と締めくくった。

マンチーニ監督の新たな挑戦は、スタートを切ったばかりである。