初防衛戦に向けて、エクストリーム・クートゥアーで調整に余念がない王者グリフィン

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27 日(土・現地時間)に、ラスベガスのMGMグランド・ガーデンアリーナで行われるUFC92『THE ULATIMATE 2008』。岡見勇信と長南亮が出場し、石井慧が現地を訪れることで日本でも注目の大会だが、もちろん米国のファンにとってのお目当てはPPVカードの世界戦2試合だ。

TUFシーズン1ライトヘビー級ウィナーのUFC世界ライトヘビー級王者フォレスト・グリフィンに、TUFシーズン2ヘビー級を制したラシャド・エヴァンスが挑む一戦は、日本ではさほど話題になっていないが、TUFによってMMAを知ったUFCファンにとっては待望の一番。王者フォレストも「TUFを制した者同士、興味深い試合になる」と語っている。

一方のエヴァンスは「自分たちの戦いは、ここがスタート。この1試合で終わるようなモノでない」と言い、フォレストを生涯のライバル視している。

一見して、捉えどころのないタイプの王者は、元々は柔術がベースのファイターだが、打撃戦にも強さを発揮するオールラウンダーだ。一方のエヴァンスはミシガン州立大レスリング部出身のオールアメリカン・レスラー。名将グレッグ・ジャクソンの下で、そのフィジカルの強さを活かし、KOパンチ+キムラ・アームロックを得意とするMMAファイターに成長した。

戦術面では挑戦者陣営が一枚上手だが、フォレストはマウリシオ・ショーグン戦、先の王座を獲得したランペイジ・ジャクソン戦などビッグファイトの経験で上回る。

距離の取り合い、スタンド+テイクダウンで挑戦者、試合がもつれた場合に王者が有利、そんな世界ライトヘビー級戦になることが予想される。

もう一つの世界戦が暫定ヘビー級選手権試合ノゲイラ×ミアは、好評を博したTUFシーズン8のコーチ対決。エフレイン・エスクデロ&ライアン・ベイダーとチーム・ノゲイラ勢がシーズンを制しているが、この暫定防衛戦も王者ノゲイラ優勢と見る声が多い。

ただし、ノゲイラは昨年7月のUFCデビュー以来、敗北こそ喫していないものの、2試合とも逆転勝ちでPRIDE時代の強さを発揮していないのも事実。対するミアは、この試合の勝者が戦うブロック・レスナーに勝利しており、シーズン8のコーチ役で垣間見せた図太さが、勝負強さにつながるような錯覚すら起こさせる。

意外にもミア勝利も十分に考えられる暫定ヘビー級世界戦といえるのではないだろうか。

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