日本人7人目の宇宙飛行士として、山崎直子さん(37)がスペースシャトルに搭乗して宇宙に行くことが決まった。女性では向井千秋さんに次ぐ2人目の快挙。山崎さんは6歳の娘さんがいることから「ママさん宇宙飛行士」と大々的に報道された。宇宙飛行士が母である事に異常に注目するマスコミ。そこにはまだまだ働く母親への理解が浅いこの国の現実が見え隠れする。

欧米諸国や共産国ではこのように「有職母」を特別扱いする事は少ない。子供をもった主婦が仕事を持つのは当たり前の国が多いからだ。国によって様々な事情は違うが、少なくとも「母が選ばれた」という解釈はしない。“何かに選ばれた人”がたまたま女性で子供を産んでいたという扱い方をするであろう。
今回の宇宙飛行士の決定は、山崎さんの努力と実力が実を結んだ結果であり、山崎さんは宇宙飛行士に認定された翌年に長女を出産している。外国での訓練や研修で本人不在の間、ご主人やその他の人々の懸命な子育てサポートあっての「ママさん宇宙飛行士」である。「ママさん宇宙飛行士」は、ママさん一人では決して成しえない偉業なのである。
会見後、山崎さんは総理官邸を訪れ、麻生総理大臣から「日本を元気づけるように頑張ってほしい」と励まされていたが、麻生総理は「日本を元気付ける」意味がわかっているのであろうか。
女性の社会進出が叫ばれ、出産後も仕事を持つ事が「女性のあるべき姿」とうたわれて久しい日本。その恩恵を得られるのは親やベビーシッターをフル活用しても十分ペイ出来るような仕事に就いている女性達だけだ。
夫の給料ギリギリの生活を強いられ、子育てやパートで睡眠時間も満足に取れない主婦達や、男性に出世や給料で大きな差をつけれられている働く女性達は、山崎さんのような「特権職母」の活躍を見てもあまり元気にはなれないだろう。山崎さんの快挙は素晴らしいがそれが自分たちの立場を変えるきっかけにはならないからだ。
宇宙飛行士の山崎直子さん、女性達の夢を乗せて宇宙で任務を果たし、無事に帰還してほしい。まだまだ、全部の女性が子供を産んでやりがいのある仕事に就けるほど成熟した国でない日本で、大きな夢をつかんだ数少ない「お母さん」なのだから。
初のママさん宇宙飛行士・山崎直子さん、再来年シャトル搭乗 11月11日 読売新聞
(by 空野ひこうき )
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