台湾

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10月18日から台湾進出をひかえている動画共有サイト『ニコニコ動画』。台湾のインターネットユーザーの声や既存の競合サイトの存在を知ると、日本と同様に快進撃を続けることは難しそうだ。

■台湾の二大動画共有サイトの存在
台湾にはすでにいくつもの動画共有サイトがある。『YouTube』も人気だが、それは通常見ることができない海外の映像を観るためのことが多く、台湾人の多くは動画のアップロードを自国の動画共有サイトにしているという。

その動画共有サイトのひとつが『Im'vlog』だ。「visual(ヴィジュアル)」と「Blog(ブログ)」の造語から生まれたタイトルの『Im'vlog』は、動画のアップロードをメインとしたサイトでありながらブログやコミュニティを作成することができ、より参加者のネットワークを広げることができるサイトになっている。また、音楽をアップロードすることも可能で、日本からアクセスすると一部を日本語表示にしてくれるという親切設定も備わっている。もうひとつの動画共有サイトは『優仕網』だ。こちらも『Im'vlog』と同様にブログを書くことができるというもので、写真もアップロードできる。

■字幕(コメント)は邪魔です
台湾人の翻訳家であり動画共有サイトのヘビーユーザーでもある林小麗さんは、『ニコニコ動画』の台湾進出についてこう語る。

「台湾人や中華圏の人たちだけならまだよいかもしれませんが、そこに英語や日本語などの字幕を入れられると、なにがなんだかわかりません。もし、台湾版の『ニコニコ動画』に日本語のコメントが入るようになったら、誰も使わなくなるでしょう。最初は新鮮感があるのでみんな使うかもしれませんが、もしほかに特別なサービスがなかったら、あまり利用されないと思います。台湾の動画共有サイトはブログやコミュニティも併設している場合がほとんどなので、そっちで書けば済むことですし、字幕を邪魔だと感じる人が多いと思いますよ」「台湾人はゆっくりじっくり動画を見たい人が多いと思います。字幕が入るとゆっくり観ることができません」

■台湾は動画共有サイト先進国
あまり知られていないことだが、台湾は動画共有サイト先進国である。マスコミは報道番組で抵抗なく『YouTube』の動画を資料映像として放送している。たとえば、台湾の著名人が日本の奥の細道を旅したというニュースで、アニメ『ちびまる子ちゃん』のおじいちゃんが俳句を読むシーンの動画を『YouTube』から拝借(?)して資料映像として放送していた。

また、すでにお伝えした台湾の動画共有サイト『Im'vlog』や『優仕網』は深くマスコミと繋がっており、番組や芸能人が動画をアップロードしてPRをしている。特におもしろいのが、芸能人が個人的に動画をアップロードし、自分のイメージアップを図っているところだ。最近買ったコスメを使っている自分の動画を掲載して、ファンたちからのコメントをもらうなどのPR活動をしている。また、芸能人が家で『Wii』をプレイしている動画を載せて、親しみやすさをPRしていることもあるとか(事務所から言われたのではなく個人的にである)。いま台湾人の芸能人は、動画共有サイトでのPR活動に余念がないのだ。

■『ニコニコ動画』台湾での成功は?
livedoor トレビアンニュースとしては、このまま流れるコメントだけを武器として台湾に進出したのでは、日本のように快進撃を続けるのは難しいと考える。すでに根深くマスコミと結びつきのある既存動画共有サイトよりも魅力的なサービスをどう展開していくのか、そこが鍵となりそう。
[詳細記事]

参照1:台湾動画共有サイト『I'm vlog』
参照2:台湾動画共有サイト『優仕網』
参照3:『ニコニコ動画(RC2)』(ニワンゴ)

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