2年にも渡る長期政権を築いた王者リデルが、因縁の相手ジャクソンを迎え撃つ

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今週末の海外MMAシーン、注目は何といっても26日(土・現地時間)に米国ネヴァダ州ラスベガスのMGMグラウンドガーデン・アリーナで行なわれるUFC71のメイン、UFC世界ライトヘビー級選手権試合チャック・リデル×クィントン・ランペイジ・ジャクソンの一戦になるだろう。

5度目の王座防衛戦となるチャンピオン=リデルにとって、この試合は3年半前のリベンジ戦の意味合いも持つ。
2003年11月9日、PRIDEライトヘビー級GP準決勝でジャクソンと対戦したリデル。荒いがアグレッシブなパンチに翻弄され、アッパーを受けると腰から崩れ落ち、強烈なパウンドを受けるなどし、お株を奪われる打撃攻撃でTKO負けを喫している。

この敗北を糧としたのか、リデルは米国に復帰後7連勝。同王座を2年に渡り保持し、ミリオンダラー・ファイターとして、UFCの頂点に君臨している。

「1RでKOする」という王者に対し、「俺が3Rで勝つ」と抗弁するジャクソンだが、昨年6月、今は活動を停止したWFAでのマット・リンドランド戦、そして今年2月のUFCデビュー戦となったマーヴィン・イーストマン戦と、PRIDEのリングで見せたアグレッシブさが陰を潜めているのが気に掛かる。WFAの契約をUFCが買い上げた際に、勝とうが負けようがリデル戦後も含めた複数契約を要求するなど、オクタゴン外での慎重さが、その闘いにも影響しているかのようだ。

戦前の予想では、ビッグファイトで連勝中のリデル有利という声が高い。が、3月にティム・シルビアがランディ・クートゥアーに敗れ、4月にはマット・セラがジョルジュ・サンピエールを下すなど、ヘビー級&ウェルター級で王座陥落が続いている。先のミルコのKO負けに象徴されるように、アップセットが続く2007年のUFC。この流れにジャクソンが乗るか、それともリデルが断ち切るのか。決戦まで、あと3日だ。

全9試合が行なわれるUFC71。米国MMA界のスターダムに乗った選手たちだが、日本では無名の選手も多い。が、そのなかで特に注目されるカードはウェルター級のカロ・パリシアン×ジョシュ・バークマンの一戦だ。王者セラ以上の強豪と目されるファイターが名前を連ねる同階級(現にパリシアンに2年前に現王者を破っている)おいて、毎試合がサバイバル合戦の様相をていしているが、この両者の一戦もまさに生き残りを賭けた戦いだ。
世界で最も層が厚いとされるUFCウェルター級戦線に埋もれがちな、実力者同士の対戦。その結果が、今後の同階級に大きな影響を与えることは間違いない。

また、ボードッグとパンクラスの提携という形で2月に初来日を果たしたチアゴ・シウバが、第4試合でUFCデビューを果たす。30日に行なわれる予定だったパンクラス・ヘビー級挑戦を反故にし、ジェームス・アーヴィンと対戦する第2のヴァンダレイ・シウバと呼ばれた、この選手の試合は日本の総合ファンにとっては、現地のそれよりも注目されているはずだ。

『UFC71 Liddell vs Jackson』大会概要、対戦カードへ