チェルシーのMFクロード・マケレレが、出場機会を求めて移籍する可能性が高くなった。マケレレの代理人は「チェルシーの出方次第」と語っているが、スペインのビジャレアルなどが獲得に興味を示しており、チェルシー退団は時間の問題と見られている。

 4年前のチェルシー加入以来、中盤の要としてチームを支え、2004-05シーズンからのプレミアリーグ2連覇に大きく貢献したマケレレ。しかし、フランス代表からの引退を求めるクラブ側の意向に背いて代表でのプレー続行を決めた34歳に対し、指揮官のジョゼ・モウリーニョは「スタメン出場の機会を制限する」と明言。さらに、ラッサナ・ディアッラやジョン・オビ・ミケルといった若手の台頭もあり、今シーズンのマケレレは徐々にポジションを失っていた。さらにチェルシーは先日、レディングのMFスティーブ・シドウェルの獲得を発表。来シーズンは中盤でのポジション争いがさらに激しさを増す状況に、マケレレの退団は現実味を帯びてきた。

 マケレレの去就について、代理人のジミー・ラジェミは次のように語っている。

「マケレレはチェルシーとの契約を残している。チェルシーの許可がない限り、他のクラブとは交渉出来ない。彼には多くのクラブが興味を示している。素晴らしい選手なのだから当然だ。ただし、チェルシーの出方を見ない限り、我々が動くことは許されない」

 一方、スタメン出場したFAカップ決勝戦でタイトル獲得に貢献し、存在感を十分に示したマケレレは、いまだチェルシーでやり残した仕事があると言う。

「私がチェルシー移籍を決めたのは、このクラブの一員として、イングランド・サッカー界の歴史に名を刻みたいと思ったからだ。そして、国内のタイトルをすべて獲得したことで、その願いは実現した。残るは、ヨーロッパのタイトルだけだ。チェルシーにはトップレベルの選手と、将来有望な若手が揃っている。チャンピオンズ・リーグで優勝するのも時間の問題だよ」

 指揮官モウリーニョの絶大なる信頼の下、チェルシー黄金期の礎を築いたマケレレ。イングランドでは、ディフェンスラインの前でプレーする守備的MFを「マケレレ・ロール(マケレレ役)」と呼ぶほど、その献身的な守備は高い評価を受けてきた。今オフの移籍マーケットでは、いまだ衰えを知らぬ“守備職人”の争奪戦が注目を集めそうだ。