雨の中で力投を見せる中日・松坂大輔 [写真=共同]

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◆ ハッピーバースデーの演奏に聖地が沸く

 中日の松坂大輔投手は13日、甲子園で行われている阪神戦に先発登板。5回を投げて95球、5安打、4奪三振で1失点の力投を見せ、6勝目の権利を持ってマウンドを降りた。

 この日、38歳の誕生日を迎えた“平成の怪物”。それも高校時代に数々の伝説を残した聖地・甲子園で迎えるバースデー登板とあって、試合前から大きな注目を集めた。

 いきなり1点のプレゼントをもらって向かった初回のマウンドは、北條史也・糸原健斗・大山悠輔という若虎3人を打たせて取って三者凡退の立ち上がり。2回表には二死走者一塁で回った第1打席でレフト側応援席からハッピーバースデーの演奏が流れると、球場全体から温かい拍手が沸き起こった。

 打席ではピッチャー横をゴロで抜いたものの、遊撃手の守備範囲で一塁アウト。すると、その打席直後の2回裏は先頭の糸井嘉男に死球を与えてしまい、つづく陽川尚将に初安打を許して無死一・二塁のピンチに。

 しかし、ここからエフレン・ナバーロを3球で三振に斬ると、伊藤隼太は内野ゴロで二死。走者はそれぞれ進んだが、梅野隆太郎は外の速球で見逃し三振。見事にピンチを無失点で切り抜ける。

 味方がさらに3点をプレゼントしてくれた3回裏も、先頭の投手・才木浩人に四球を与えてしまう嫌な流れになったが、トップの北條を併殺に仕留めるなど3人締め。5-0とリードが広がった4回は味方のまずい守備もあって先頭の大山に三塁打を許し、一死から陽川にレフトオーバーの適時二塁打を浴びて失点したものの、後続を斬って1点で踏ん張った。

 また、その4回は投球中にバランスを崩すシーンがあり、合間で伸脚運動をするなど松坂自身も気にする素振りを見せたため、ベンチから朝倉健太投手コーチが飛び出してくるという場面もあったが、そのまま続投。

 6-1と再び5点差になった5回も、二死から北條と糸原に連打を許して一・三塁のピンチ。ここで2試合連続本塁打中と好調な大山を迎えるも、最後はフルカウントから外に逃げるスライダーで空振り三振。幾多の困難を切り抜けた伝家の宝刀が冴え渡り、5回1失点で勝利投手の権利を掴んだ。

 中日は6回から2番手・ロドリゲスにスイッチ。今季6勝目となるバースデー勝利は仲間たちに託された。