サマソニ取材「ショーン・メンデスが語るテイラーとの共演、チャンス・ザ・ラッパーの魅力」

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カナダ・トロント出身で20歳を迎えたばかりのシンガー・ソングライター、ショーン・メンデスがサマーソニックで再来日。今年5月に発表した3枚目のアルバム『Shawn Mendes』で全米1位を達成し、ポップスターとして進化を続ける彼にインタビューを実施した。

「僕のライブを観ると、みんな予想を裏切られるみたいなんだ。もっとポップ寄りなショウをやっていると思われているみたいで、何人もダンサーが登場するんじゃないかと言ってきた人もいたよ(笑)。僕のことを知っていれば、絶対にそんな想像はしないはずなんだけどね」

ライブの展望について尋ねられたショーンは、笑顔を浮かべながらこんなふうに答えていた。キングス・オブ・レオンが大好きで、自身のステージでもロックな方向性を意識しているという彼は、マリンステージにもバンドセットで登場。代表曲の「Theres Nothing Holdin Me Back」で幕を開けると、合間にフランク・オーシャンのカバーも挟みつつ、自身のヒット曲を連発。有言実行の勢いあるステージングで会場を盛り立てた。以下のインタビューは、東京公演の前日に行ったもの。

ーあなたは8月3日にテイラー・スウィフトのトロント公演を訪れた際に、(ツアーに同行している)カミラ・カベロの楽屋でグリッター・メイクを披露していましたよね。あれは何が起こったんですか?

ショーン:ハハハ(笑)。あの動画が(Instagramで)出回ったときには、ふたつの想いを抱いたものさ。ひとつめは、「このメイク……ちょっと変かな」という気持ち。ふたつめは、僕には女の子の従姉妹が多くて、子供のころからそうやってメイクでいじられてきたりしたんだよね。だからある意味、そういう自分のパーソナリティーが出せたのを喜んでもいるんだ。

ーそもそも、なぜあんなことに?

ショーン:もともと僕は彼女のライヴを観に行って、バックステージで彼女と喋ってたんだよ。その流れで、なぜかグリッターメイクをすることになったというわけ。

ーそういうメイクといえば、誰か思い浮かびます?

ショーン:もやっぱりレディー・ガガかな。メイクについて影響を受けているわけではないけど(笑)、音楽面では大きくインスパイアされているよ。

ーこれをきっかけに、アーティストとしてメイクアップを武器にしていく可能性はありますか?

ショーン:ノー(笑)。今回は遊びでやっただけだよ。

ー今年5月には、同じくテイラーのツアーでサプライズ共演も実現しています。

ショーン:もともと『1989』ツアーでも前座を務めていたんだけど、今回はその2年後にゲストとして呼んでもらって、自分のなかで一周したような感じがしたよ。クレイジーな経験だったし、すごく嬉しかったな。

ーそのときは、「Theres Nothing Holding Me Back」を一緒にパフォーマンスしたんですよね。

ショーン:彼女がこの曲をやりたいと提案してくれたんだ。歌詞も全部覚えていてくれたし、本当に光栄だったよ。

ー「Theres Nothing〜」は、どのようにして作られたんですか?

ショーン:まずはギターリフ以外の部分を最初に書いて、デモを聴きながら眠ったんだけど、朝起きたらやっぱりギターが必要な気がしてきてね。それでスタジオに行ってリフを録音したんだ。

ーいつも曲作りをするときは、どのようなプロセスを踏んでいるのでしょう?

ショーン:僕が曲を作るときは、ギターを声のように使っているんだ。まずは頭のなかで曲の設計図を描いて、メロディーを決めていったあと、ギターをどんなふうに弾こうか考えているよ。

ーあなたのお気に入りを集めたプレイリストに、チャンス・ザ・ラッパーの「No Problem」も入っていますよね。彼のどんなところに魅力を感じていますか?

ショーン:彼のポジティブなスタンスが大好きなんだ。実際、ポジティブなことについてラップするのは難しいと思うし、アルバム一枚を通じてそれを実践しているアーティストはかなり限られると思うんだよね。

ーローリングストーンUS版のインタビュー(日本語訳はこちら)では、カニエ・ウェストへの思い入れを語っていましたよね。ふたりともシカゴの出身ですが、あなたが好きなラッパーには共通項があったりするのでしょうか?

ショーン:どちらの音楽もドラマティックだし、ゴスペルの要素が感じられるよね。クワイアの声を用いていたり、カニエは壮大なシンセ、チャンスはトランペットを使ったりしていて、どちらもスーパー音楽的だよね。それに、彼らはポジティブなサウンドを使うのが上手くて、カニエの「Bound 2」を聴くとそのトーンが伝わると思う。