後半20分からピッチに立ったMF乾貴士

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[8.17 リーガ・エスパニョーラ第1節 ベティス0-3レバンテ]

 リーガ・エスパニョーラは17日、2018-19シーズンの開幕戦を迎え、MF乾貴士所属のベティスがレバンテと対戦した。新天地で初の公式戦となった乾は後半20分から左インサイドハーフでプレーし、決定的なシュートも披露。だが、チームは一方的にボールを支配しながら0-3で敗れ、悔しい黒星スタートとなった。

 昨季まで3年間にわたってエイバルでプレーした乾は今夏からベティスに加入。ロシアW杯で強豪相手に2得点を挙げた実績を引っさげ、アンダルシア地方の名門クラブにやってきた。チームは3-1-4-2のフォーメーションを採用する中、背番号8はベンチスタートとなった。

 試合は立ち上がりからベティスが優勢を握った。3バックで相手のプレスを避けると、アンカーの新加入MFウィリアム・カルバリョ(←スポルティング)がパスを受け、攻撃にスイッチを入れる。前半7分にはMFリヤド・ブドゥブズがゴール前で惜しいシーンをつくった。

 対するレバンテは相手3バック脇への大きなフリーランニングから反攻を試み、徐々に陣地を取り戻していく。それでも次のチャンスもベティス。前半25分、左ウイングバックのDFジュニオール・フィリポが相手を股抜きドリブルで抜き去り、ブドゥブズのシュートを導いた。

 気温30度を超える厳しいコンディションのため、前半30分ごろにはクーリング・ブレイクを実施。すると同38分、レバンテのファーストシュートが試合を動かした。右サイドの起点からMFハソンがハーフスペースを駆け上がり、ゴール前に低いクロスを配給。走り込んだFWロヘル・マルティが落ち着いて決めた。

 1点ビハインドとなったベティスは相手を完全に押し込み、一方的なハーフコートゲームを展開。だが、前半アディショナルタイム1分にはFWアンドレス・グアルダードの左足シュートが空砲に終わり、10本のシュートを放った45分間で得点を奪うことができなかった。

 後半もベティスの主導権は変わらない。だが9分、アラベスは相手左CKの逆カウンターからFWホセ・ルイス・モラレスが右サイドを猛ダッシュで突破。DFマルク・バルトラのスライディングクリアのセカンドボールにいち早く追い付くと、GKとの1対1を右足アウトで制し、驚異の75mドリブル弾でリードを2点に広げた。

 シュート2本で2失点を喫したベティスは後半18分、ブドゥブズに代わってFWアントニオ・サナブリアを投入すると、すぐさま乾に出番が訪れる。同20分、同じく新加入のW・カルバリョに代わってピッチに入ると、左インサイドハーフのポジションに入り、A・グアルダードがアンカーの位置に下がった。

 乾は新天地デビューを飾った直後に得意のドリブル突破を披露するも、相手のプレッシャーに太刀打ちできず。チームも3バックの脇を次々に突かれ、カウンターへのもろさを見せる。後半29分、キケ・セティエン監督は早くも3枚目の交代カードを使い、DFアントニオ・バラガンを起用した。

 ベティスは後半41分、乾が中盤でのボール奪取から自ら持ち込み、右足で狙ったが相手守備陣がブロック。同44分にはPA内でのこぼれ球を拾って決定的な形で狙うも、今度はGKオイエル・オラサバルに横っ飛びで防がれた。アディショナルタイムには三たびの速攻から再びモラレスに決められ、3点差での悔しい完封負けとなった。