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●フードコートに進出

回転寿司チェーン「スシロー」を展開するあきんどスシローは、三越伊勢丹ホールディングスが3月20日に横浜駅前のジョイナス内にオープンする「FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMA」(旧クイーンズスクエア横浜)に新形態の店舗「スシローコノミ」を出店する。郊外店ほか、昨年から展開を強化中の都心店舗に続く第三の業態となるが、どのような将来像を描いているのか。

○初のフードコート向け店舗

「スシローコノミ」は「FOOD&TIME ISETAN YOKOHAMA」内、約130席のイートインスペースが用意される「CAFE&DELI PLAZA」に出店される、スシローの新業態だ。あきんどスシローでは「お寿司の原点を現代にリニューアル」という触れ込みで、江戸時代に「街角の屋台」で販売されていた寿司をイメージしているという。

提供されるネタは43種類。価格は1カンあたり60円、100円、200円のものがある。中にはウニなど、従来店舗ではレギュラーメニューに入っていないものも含まれている。今後は「羽田市場」などの期間限定メニューの導入も検討しているとのこと。さらにサイドメニューとして味噌汁3種とうどん3種、ラーメン2種、ソフトドリンクやアルコールも提供されるが、「スシローCafe部」で注力中のスイーツ類は用意されない。

注文は専用の用紙に書き込む形で行い、レジで内容と値段を確認。支払いが完了すると同時に寿司を作りはじめる。顧客にはワイヤレスレシーバーが渡されるが、注文後、席に戻るまでの間に提供できるのが理想というほど、提供スピードには自信があるようだ。少なくとも、席で空腹をなだめながらイライラして待つ必要はないようだ。

スシローとしては初めて回転レーンのない店舗となるが、顧客が好みのネタを選べるスタイル自体は踏襲。一方で注文できる個数のパターンを固定化したり、トッピングを極力廃止する、手間のかかる巻物を出さない、定型の盛り合わせメニューを用意するなど、オペレーションの省力化に関する工夫も凝らされている。

具体的な数は明らかにされなかったが、オペレーションにかかる人員そのものも店舗規模に合わせて少なく設定するようで、少人数でも効率的に寿司を作れるよう、新型の寿司ロボットの導入や、ネタ用冷蔵庫の扉を引き出し式にするといった細かな工夫が随所に見られた。

●先々は駅前・駅ナカも視野に

○フードコートに進出する意義は?

スシローの出店数は3月19日時点で489店舗。そのほとんどが郊外型店舗だ。490店舗目となるスシローコノミだが、現時点では2号店、3号店と矢継ぎ早に出店する予定はなく、顧客の傾向などをじっくり調査していくという(ただし、多店舗化自体は検討しているとのこと)。

スシローは毎年30〜40店舗を展開しており、今後もその方針は変わらないというが、郊外型店舗用の良好な立地はライバル店やコンビニ、ファミレスなどとの競争にさらされて、年々獲得が難しくなっている。昨年から展開中の都心型店舗や、スシローコノミのようなフードコート型店舗は、多様化するニーズに応えるとともに、郊外店に並ぶ柱として、着実に育てていきたいのだろう。

また、スシローコノミはフードコートでのイートインだけでなく、持ち帰り用のパック販売も行うが、イートインのみ、あるいは持ち帰り部分だけの出店というバリエーションについても考慮しているという。また出店先についても、郊外型ショッピングセンターだけでなく、駅前・駅ナカの商業施設などが視野に入っているという。

個人的にはサイドメニューの麺類をやめて海鮮丼などにしたほうが、より「寿司屋らしさ」を打ち出せると思うが、このあたりは今後、メニュー改変などを経て変わっていくだろう。未知数な部分が非常に多いだけに、今後どのようなデータが集められ、どのように進化していくのかが大変興味深い。