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 トヨタ自動車は28日、2017年上半期(1〜6月)の世界新車販売台数を発表。日産・仏ルノー・三菱連合、独フォルクスワーゲングループ(VW)、米ゼネラル・モーターズ(GM)の上半期実績も出そろい、日産・ルノー・三菱連合がトヨタ(ダイハツ工業と日野自動車を含む)を上回り、半期ではあるが、世界販売で初の首位に立った。

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 日産・ルノーは昨年、燃費不正を起こした三菱自動車を傘下に収め、世界首位を狙う体制を整えた。昨年(16年)はVW(アウディも含む)が年間首位でトヨタは2位、3位がGM。日産・ルノーは4位だった。

 ガソリンエンジンで発電する電気自動車ノートe-POWERの国内販売が好調な日産・ルノー・三菱連合は前年比7%増の526万8079台を販売。先進の安全運転支援システムをゴルフに搭載するなど安全面を前面に出したVWは同0.8%増の515万5600台、トヨタは上半期としては2年ぶりに500万台を超え、同2.7%増の512万9000台を販売するも3位。米最大手のGMは同1.7%減の468万6038台と伸び悩んだ。

 トヨタは、小型SUVの「C-HR」、セダンタイプの「プリウス」のハイブリッド車が国内販売のみならず欧州や中国で好調だった。中国ではレクサス車の販売も好調で販売台数を押し上げたが、米国では石油安の影響から大型車にシフトし小型車の販売不振が続いたのも影響している。

 日産・ルノー・三菱連合は、16年まで加算されていない三菱自の販売台数上乗せが49万4303台あり、1位獲得の要因と言える。トヨタの17年上半期の差は約14万台。17年下半期の販売台数次第で順位は入れ替わる可能性は十分に考えられる。

 日産自動車はセレナ、エクストレイルに搭載した自動運転技術「プロパイロット」、VWも先進の安全運転支援システムをゴルフを中心に搭載、トヨタは「セーフティセンス」、トヨタグループのダイハツは「スマートアシスト」の充実で販売台数を増加させることに注目したい。

 GMを含む米国車の国内販売の不振も気になるところ。フォードの日本国内販売撤退に加え、クライスラーも日本販売撤退が固まったと伝えられているのも残念なニュースだ。