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第4位 アスベスト

ベッドフォードにあるチャールズ・ネグスは1921年に、アスベスト(石綿)繊維でできた奇妙な卵型のボディをキャデラックに載せた。振動音を防止することと、スチール・ボディに比べてより安く、より簡単に製造できるメリットもあるという発想からだ。その10年後には、ロンドンのラミノイド社はサルーン・ボディのクルマを披露した。アスベスト繊維を用いたパネルを中心に、車体の両サイドの布を貼り、それらを木製のフレームに接着するという構造だった。つなぎ目を埋めた後に、表面はセルロース被膜処理された。加工が単純で、安価で、振動音が抑えられるという点ではメリットが多かった。 

第3位 ウッド

後にタルボとなるゴードン・イングランドは、車体全てが木材で造られたクルマとしては最もよく知られた存在だ。3層の木材が接着剤とネジでフレームに接合され、中心部には側面にレールを備えた中空構造の梁を持つ。ボディはシャシーに4点でラバー・マウントされ、そこにフロア・パネルとシートが直接取り付けられていた。軽量なのが最大の特徴だ。

第2位 植物由来のプラスチック

ヘンリー・フォードは、農場でとれる原材料をベースとするボディを試作している。ともすれば、大豆あたりから抽出した油を利用したものと思われるが、そうではなかった。1/4インチ(6.3mm)のパネルは「フェノール・ホルムアルデヒド・セルロース」で造られたもので、チューブ状のフレームを持ち、藁、麻、ラニー(苧麻)、松といった素材で補強されていた。1941年にプロトタイプが製作され、その時の売り文句は「スチール・ボディよりも453kgほど軽い」だったが、これはさすがに怪しいとしか思えない。

第1位 チューブラー・スペースフレーム

最初にチューブラー・スペースフレームを採用したのは2台のアメリカ車だった。1932年から製造されたスタウト・スカラブと、1933年に発明家バックミンスター・フラーが製造したダイマクションだった。レーシングカーに採用されたのは、1946年のチシタリアが最初だが、疑う余地もなく最初に成功を納めたのは、ボブ・ナイトが設計した1951年製のジャガーC-タイプだろう。これに続いたのがロータスで、ロータス・セブンの前身とも言える、1952年発表のマーク6が製造された。



もっと、奇妙なボディたち

キャンバスを覆うチキンワイヤー

デトロイトで作られたボディは、木のフレームの上に亜鉛鋼板素材の網目状の材料を用い、更に綿の詰め物としてあらかじめ染色された布地などが使われた。それらは、軽量で、補修が簡単でガタガタしないと言われた。

小枝

1912年製造されたビーコンの、その茎で出来たボディはわずか27kしかなかった。固い材料の枝はプロペラシャフトにも使われた。 

リベット打ちされた鋼鉄ユニット・ボディ

1913年製ラゴンダの11.1hpのライトウエイトには、シャシーとボディ・フレームの角に錫メッキされた鉄製のリベットが打たれた一体型タブ構造が採用された。ただし、アルミニウム鋳物製のオイルパン、クラッチ・ハウジングとギアボックスは、全てしっかりとしたボディにボルト止めされていた。

アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)

各色に成形されたプラスチック(ABS)パネルがシトロエン・メアリに使われた。このメアリは、1968年から88年まで4万5000台が製造された

アルミニウム鋳物

1920年には、バーミンガムにあるプレミア・アルミニウム・キャスティング会社が、10hpのカルソープ社製のクルマのシャシーに77kgの鋳造ワンピースの、ドアがない、トランク・カバーもないシェル・ボディを製作した。これには、ダッシュボードと、小窓も統合されていた。

プレス・スチール構造

ランチアの有名なラムダは1922年にデビューしている。ボディ、シャシーは骨組み状態で、トランスミッションのトンネルが骨組みのその中を走っていた。

合金製骨組み

バーカー社は1931年にバームブライト・アルミニウム合金製のフレームをメルセデスに載せた。パネルは骨組みとリベット打ちで固定され、乾燥ボディ重量は44kgだった。

ユリノキ材の支柱

3層構造の支柱が対角線状に木製フレームに繋げられたシャシーに、ウッド製のボディが1925年製ブガッテに被せられた。このクルマはアンドレのデュボネット・イスパノH6として知られている。

コルクパネル

塗装されたコルクパネルが木と金属のフレームに接合された1929年製べスターズ・アンド・ネイリニック。パナール社のクルマは、軽量で静かで、冬あたたかく、夏涼しいメリットがあると言われた。

紙製の張り子

レスリ・バラミー社の1934年製オースティン・セブンは、シャシーにボルト止めされたスチール支柱を持つボディに、ラミネート加工された紙が貼られたもの。この紙製の張り子のボディには、銅とセルロースが吹き付けられていた。