何問わかる? 実際の本屋が舞台のクイズ&ゲーム大会「重版出題!?」がすごい楽しかった【体験レポ】

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フロアを移動し、宝さがしゲームも!

握手会や著者サイン会など、さまざまなイベントが行われることでも有名な書店、「書泉グランデ」にて、クイズ&ゲーム大会「重版出題!?」が開催されました。

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会場は7Fのイベントスペース。15名の参加者が4つに分かれ、チーム戦でバトル。テーブルには、テレビ番組などでおなじみの「早押し機」も並べられています。

本屋さんならではの出題が

司会は閃き作家・高柳優さん。『頭のいい子を育てる 京大発想パズル』という著書もあるクリエイターです。この日のクイズはすべて、高柳さんが作成したもの。

<第一問>
サブタイトルは「価格と生活の経済学」。2007年に発売され、有名コーヒーチェーン店の価格などから、わかりやすくモノやサービスの値段を論じた吉本佳生の経済書のタイトルと言えば、『スタバでは“何”を買え』でしょう?

これはもしや? ステージ上の4人は慎重に様子を見てボタンを押さず。 他の参加者から「えっーと、グランデ?」

正解!

イベント会場名と掛けていた問題でした。会場からは「あー、そういうことか。なるほどね」の声。

<第二問>
次の雑誌に共通する発売日は毎週何曜日でしょう? 女性ファッション誌「anan」、テレビ雑誌「週刊テレビガイド」、マンガ雑誌の「週刊少年マガ・・・

(参加者)「水曜日」

全て問題文を言い終わらないうちに正解が!

続いて、「目で見る 表紙クイズ」。本の表紙を4つの部分にわけ、1・2・3・4と順番に表示される画像から本のタイトルを当てるクイズです。

<第一問>
モノクロの表紙。黒い背景の前に、軽く握った手のようなものが……?

(参加者)「スティーブ・ジョブズ」

表紙の四分の一を見ただけで正解。すごい!

「なんで分かったんですか?」「いやーなんか、アゴの気配を感じて(笑)」

<第二問>

第一段階で、タイトルを除く表紙全体が公開。白背景に金髪の制服女子高生、見覚えがある方も多いのではないでしょうか。映画化もされた話題作です。

「えっ、こんなに開けちゃっていいの?」と思いきや、次の解答欄はこんな感じ。

(2)【 】が
(3)1年で【 】て
(4) 【 】に現役合格した話

会場から「あー、そうきたか」の声。この表紙は有名ですが、正確なタイトルを言える人は少ないでしょう。正解は『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話』でした。

表紙クイズ、楽しいぞ!

間違えてもドンマイ、攻める姿勢に拍手が

次のコーナーは「本のイントロクイズ」。本の最初の部分を朗読し、タイトルを当てるクイズです。

<第一問>
いまさら辞典懐古の自叙でもないが、明治時代の下半期に、国語学言語学を修めた私は、現在もひきつづいて恩沢を被りつつある先進諸家の大辞書を利用し……

「舟を編む?」

残念! 正解は『広辞苑』(自序)でした。

※編集部注:国語辞典「広辞苑」の編さんに携わった新村出による序文で、名文として評価が高い。新かな遣いに反対していた新村は、旧かなと新かなで表記が異なる文字を一切使わずに序文を書き上げた。

会場から「そうきたか」「編み終わったほうだった」の声。

<第二問>
荒木公平の人生は――人生というのがおおげさであるならば会社人生は――、辞書に捧げられてきたと言っても過言ではない……

ここでもう、会場から笑いが。正解は『舟を編む』でした。まさか次で出てくるとは。クイズ大会ならではの展開に会場も盛りあがります。

<第三問>
メロスは激怒した……

「走れメロス」 正解! なんだ、この緩急をつけた出題(笑) 良いじゃないか!

焦って間違えた方にも、司会者から「ナイスファイト!」のフォロー、そして会場からも拍手が。なんて温かいのでしょう。

<第四問>
コンビニエンスストアは……

「コンビニ人間」
正解! 村田沙耶香さんの芥川賞受賞作でした。

MC「この本、読まれましたか?」

回答者「いや、読んでないです。(会場が書店なのに……という空気に対して)ごめんなさい、ウソつけなくて……」

MC「正直で素晴らしい! でもこれから読む楽しみがありますからね」とナイスフォロー。

チームワークが試される? 「戦争と平和」

2人1組で答えるクイズ「戦争と平和」。答えはすべて「○○と××」という書名です。まず一人が○○と答え、もう一人が××と答えれば正解となります。ただし、相談するのはナシ。

早押しボタンの前にずらっと並ぶ参加者たち。クイズ番組っぽい雰囲気に。

例えば、こんな問題。

・映画「シン・ゴジラ」の冒頭にも登場する、宮沢賢治の……

「春と」、

「修羅」

いちばん会場が盛り上がった問題はコチラ。

・日本では2002年に単行本が初めて上下2冊で刊行。4年生となった主人公が、あるアイテムの導きによりホグワーツ魔法魔術学校の代表に選ばれ、運命に直面する姿を描いた、J・K・ローリングの小説は?

「ハリー・ポッターと……」までは分かるけど、後半がどれだろう?

正解は『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』でした。ちょっと難しいけど良い問題!

イベント会場を飛び出し、売り場で答えを探す

「宝さがしゲーム」は、2枚の指示書をもとに本屋さんの中を探し、目的のものを持って帰ってくるというルール。制限時間は10分です。

一般のお客さんにまぎれて、宝を探す参加者たち。

便箋のように横線が書かれた紙には、「ひらけ」、「3月」、「オッサン流」などのワードが書かれています。ワードがバラバラに配置されているのは、何かの位置を示しているのでしょうか?

一見、難しそうな問題でしたが、全チーム成功。さすがです。

「矢継ぎ早 以心伝心ゲーム」は、挑戦者のうしろに出るお題(本のタイトル)を、他のチームメイトが色々なヒントで伝える連想ゲーム。作者名を言うのはOK。パスも可能です。

「スティーヴン・キングの怖いやつ。えーと、なんとかぱみゅぱみゅ」

「キャリー」 正解!

「雪の中でみえなくなっちゃうこと」

「ホワイトアウト」 正解!

カミュ『異邦人』というお題に、「チャンチャンチャン〜」と歌いだす人も。久保田早紀の「異邦人」でしたが、これは若い世代だと分からないですよね。しかもサビじゃなくてイントロ(笑)

宝さがしゲームで持ってきたケースの中には、書泉さんのしおり(参加者へのプレゼント)が入っていました。

イベント終了後、参加者に感想を聞いてみました。

「すごく楽しかったです。本屋さん好きなんで、またこういうイベントをやってほしいですね」

「テレビでクイズ番組見てるときは『なんで分からないんだよー』とか思いますが、実際やってみると難しいものですね」

主催者兼MCを務めた高柳さんにコメントをいただきました。

「予想以上に盛り上がって、本当に良かったです。こういうパーティーゲームって、大人になるとなかなか機会がないですよね。クイズ&ゲームをカジュアルにできる場をもっと作ってていきたいですね」

書泉グランデの担当者さんも「すごくいい雰囲気で盛り上がったので、またやりたいですね。次回は他のフロアも使って、内容を膨らませたら面白いかも」とおっしゃっていました。

クイズ大会となると難しいレベルの問題になりがち(?)ですが、緩急をつけた出題内容が絶妙!

参加者のモチベーションも高く、「次回は普通に回答者として参加したいなあ」と思わせる盛り上がりを見せたイベントでした。

取材:村中貴士