「変わった」と言ってもらえることが喜びに



――林さん自身のキャリアについてもお話を伺ってまいります。今クールの連続ドラマ『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(関西テレビ系・フジテレビ系)の中島役も大きな話題を呼びましたね!

ありがとうございます。

――特にここ数年、『ON』や『HiGH&LOW』(日本テレビ系)で見せたようなどこか狂気をはらんだ男から、『その男、意識高い系。』(NHK)のちょっとイタい三枚目、『火花』(Netflix)の純粋すぎる主人公、本作の渚のような女子がキュンキュンするような甘い男性まで、異なる幅広い役を精力的に演じられています。多くのファンが、林さんから“変化”のようなものを感じているのではないかと思います。

やはり、いろんな人との出会いがあり、年齢を重ねて、仕事への向き合い方が変わってきて、より強い思い、意識で臨むようになってきたのは確かだと思います。以前、それこそ10代の頃は、正直、そこまでの気持ちで仕事をしてはいなかったし、いま思うとやり直したい作品ばかりですが…(苦笑)。



――10代の頃がいいかげんだったのではなく、いま、特にこれまで以上に強い思いで仕事をされているということだと思います。

確かにいまは必死です。「やり直したい」なんて思いを味わいたくなくて、いただいた役を自分の力でどれだけ面白くできるのか? と考えてます。あとは、そうやってみなさんに「変わったね」とか「あの役と全然違うね」と言っていただけるのが喜びになってます。

――『バッテリー』で俳優としてデビューしてから約10年ですね。いま振り返って、この10年で最も「にがい」経験を教えていただけますか?

そうですね…、20歳くらいの頃に「このまま俳優を続けていけないんじゃないか?」と不安に襲われた時期がありました。周りを見て「自分の代わりなんていくらでもいる」と思ったし、それはいまも変わらないですけど、加えて、自分が理想とするところになかなかたどり着けずに悔しい思いもありました。



――そうした苦しさを乗り越えて、ここまで続けてこられたのは…。

やはり、近くで支えてくれる人たちの存在が大きいと思います。投げやりな気持ちになることって、誰にでもあると思いますが、応援してくれる人たちがいて「あぁ、こんな自分でも誰かが見てくれているんだ」と思えて前に進むことができました。

――10代で華々しくデビューし、その後も第一線で活躍し続けてきた林さんが、そんな苦さを人知れず味わっていたというのは意外な気もします。

でも、いまではどこかで「たいしたことじゃなかったんだな」とも思ってもいます。この先、もっと苦しいことが待っているんだろうとも思いますし(笑)。何より、自分はいい出会いに恵まれてここまでやってこられたなと思ってるので、いまは充実してます。どこまでやれるのかやってやる! という気持ちです。



――では逆に、この10年で俳優をやってきて最も「甘さ」を感じたのは?

「この瞬間」とか「この作品で」というものではないですが、やはり家族の存在ですね。両親、祖父が喜んでくれることが何より嬉しい。僕が時代劇に出演したときや海外の映画祭に出席したときもそう。やはり、一番近くで喜んでくれるのは家族なんですよね。語弊があるかもしれないですけど、祖父や両親が元気な間にどれだけ自分ができるのか? というのがモチベーションにもなってます。

――さまざまな思いを抱えながら10年間を駆け抜けてきて、いま、ご自身で考える俳優・林 遣都の一番の持ち味、軸となっている部分はどんなところだと思いますか?

難しいですね…(苦笑)。「こんなの弱みでしかない」と思うこともあるし、時に「これがいいのかも」と思う部分でもあるんですが、この仕事を自分で強く志して始めたわけではなく、ある種の運命のようなところで引っ張ってもらったというところですかね。



――と言いますと?

スカウトでこの世界に入ったんですけど、当時は全然、これがやりたいことでもなかったし、他にやりたいこともひとつもなかったんです。そんな中で、『バッテリー』の滝田洋二郎監督に拾っていただいて。最初がそうだったからなのか、いまでもどこかで日常の普通の生活に重きを置いて生きているって感覚が強いんです。

――どっぷりと芸能界、俳優の世界に浸っているというよりも…。

映画や舞台を常に見ていないと落ち着かないってこともないし、もちろん、もっと勉強しなきゃいけないって意識はあるんですが、どちらかというと、プライベートで感じることを大切にしたいんです。仕事以外で関わる人たちとの時間の中で、楽しいこと、苦しいこと、すべてを自分の実にしようとしている自分がいます。



――それでは最後に、その私生活についてひとつ質問を! 映画の中で渚はマキがおいしそうにご飯を食べる姿をかわいいと思ったと語っていますが、林さんご自身は、恋愛で相手のどんなところに惹かれ、キュンとしますか?

これも繰り返しの答えになるんですけど(笑)、やっぱり家族を大事にしている人がいいなって思います! この映画を見ると、家族の存在の大切さをしみじみと感じてもらえると思います。



【プロフィール】
林 遣都(はやし・けんと)/1990年12月6日生まれ。滋賀県出身。O型。2007年、映画『バッテリー』で俳優デビューにして映画初主演を飾る。その後も『風が強く吹いている』、『パレード』、『荒川 アンダー ザ ブリッジ』、『花芯』など主演、助演を問わず話題作に出演。ドラマでも『ストロベリーナイト』(フジテレビ系)、『ST〜警視庁科学特捜班〜』(日本テレビ系)、『玉川区役所 OF THE DEAD』(テレビ東京系)、『HiGH&LOW』(日本テレビ系)、『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(関西テレビ・フジテレビ系)などに出演。NHKの大河ファンタジー『精霊の守り人』に出演中のほか、9月6日〜28日まで上演の『家族の基礎〜大道寺家の人々〜』で初の舞台に挑戦中。
【公式サイト】http://official.stardust.co.jp/kento/


『にがくてあまい』
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■応募方法:ライブドアニュースのTwitterアカウント(@livedoornews)をフォロー&以下のツイートをRT


■受付期間:2016年9月14日(水)12:00〜9月20日(火)12:00

■当選者確定フロー
・当選者発表日/9月21日(水)
・当選者発表方法/応募受付終了後、厳正なる抽選を行い、発送先のご連絡 (個人情報の安全な受け渡し)のため、運営スタッフから個別にご連絡をさせていただく形で発表とさせていただきます。
・当選者発表後の流れ/当選者様にはライブドアニュース運営スタッフから9月21日(水)中に、ダイレクトメッセージでご連絡させていただきます。9月24日(土)までに当選者様からのお返事が確認できない場合は、当選の権利を無効とさせていただきます。

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