豚肉×ソース×麺だけが焼きそばだけじゃない! ソースの香りを楽しむシンプルな一品から、パクチーたっぷりのひと皿まで、レストランのシェフクオリティの焼きそばを厳選



コースの〆に登場する「具なしソース焼きそば」。肝となるのは、「自分が食べるトンカツソースを探していたら行き着いた」という京都の無添加ソース
鼻孔を刺激する、麗しき無添加ソースの香り『龍圓』

浅草


時にフレンチの技法を使い、時に和の食材を取り入れたり。ジャンルという垣根を軽々と超越した中国料理で、数多の食通を唸らせる『龍圓』。その美食の根底を支えるのは、生産者の元を訪れ、自ら納得したものだけを使う徹底したまでの食材選びにある。

味付けはウスターと中濃のソースにスープを少し加えるのみで、具材は一切ない。供されれば隣のテーブル客が気が気でないほど芳醇な香気がふわり。栖原氏が惚れ込んだ麗しきソースの香りをとくと堪能あれ!



表面はカリッ、中はもっちりが食感と味わいのアクセントに

自家製麺を中華鍋で軽い焦げが付くように焼き、外はカリッと、中はもっちりと焼く。焦げ目の付いた部分はやや塩味が強く感じられるなど、シンプルな焼きそばの中に、味のアクセントがある



麺はしっかり油切りしてソースを絡めていく

「油があれば旨みは強く感じられるが、そこが目的ではない」と、焼いた麺は一度鍋から外ししっかり油切り。ソースを麺全体に絡めるように和えて、芳醇な香りを纏わせていく



「極限までシンプルな焼きそばですが、奇をてらったわけではありません。味がぼやけてしまうため、このひと皿には肉や野菜は不必要。芳醇でフルーティーなソースの香りをお楽しみください」



白を貴重にしたシンプルな店内。テーブルの間隔もちょうどよく、ゆっくりと食事を堪能できる




明石産穴子の焼きそば。Facebookで告知があった時にのみ味わえるという、何とも気まぐれなメニューだ
旬の食材で作る、シェフの気まぐれ焼きそば『Amrit』

赤坂


今はなき『クロ・ド・ミャン』で一世を風靡した、ソムリエ兼シェフを務める宮永久嗣氏が、品質管理に定評のある明石浦漁協から仕入れる魚や、広島県産の無農薬野菜といった厳選した旬の食材を使った料理を、客のリクエストに応じたオートクチュールスタイルのコース(¥8,000〜)で供する『Amrit』。

となれば、内容も旬の食材ありきで、決まっているのはパスタ用の強力粉と卵のみで仕立て、3日間の熟成させた自家製極細麺を使うということだけ。今時分なら瀬戸内海産のあなごに山椒の実を合わせるが、あさりを使ったり、白髪ねぎを加えるだけのこともある。



自家製ダレを手早く絡める!

この日登場した焼きそばは、明石浦漁協から仕入れたあなごと山椒の実を使ったひと皿。炒めた鶏皮を、紹興酒、醤油ねぎで作る自家製ダレで味を調和させていく



3日寝かせた旨みとコシを増幅!

パスタ用の強力粉と卵のみで、“らしさ”を打ち出した麺は、丹念な手ごねと足踏みをし、数日熟成させることで旨みを引き出す。抜群のコシが美味しさのポイントに



「もともとは『クロ・ド・ミャン』が大阪時代にあった頃に、常連のリクエストで始まったメニュー。いつ作るかは分かりませんが、数日前にFacebookで告知しています」



季節の生花が生けられた店内。ウッドとレザーの組み合わせでアーバンなスタイルを実現している


次はパクチーフリーク必見です!



パクチー和え麺。ナンプラーを効かせたパプリカのソースの使い方が絶妙なバランスを生む
パクチーフリークもノックアウト!? 『南青山 Essence』

表参道


「突き詰めると医食同源に行き着くのが中国料理。一方で、化学調味料を使ったり、それに反する部分もよくあるんです」。そんな矛盾を排除して、体に優しい薬膳をベースとした中国料理を振る舞うのが、シェフ・藪崎友宏氏のモットー。

そんなポリシーから産まれた副産物ともいえるのが、こちら「パクチー和え麺」(¥1,600)だ。というのも、シェフは食材にこだわるべく足利にある畑で野菜を自家栽培、その雑草対策として植えたパクチーが多く採れることから誕生したメニューなのだ。

もちろん、ポイントは、山椒やねぎ、しょうがなどで作るパクチーペーストと、麺を覆い尽くすほど大量にトッピングしたパクチー。



ペーストを絡めてパクチーを主張させる

ポイントは中華麺軽く焼いてから絡める、山椒やしょうが、ねぎで仕立てたパクチーペースト。葉をトッピングしただけでは引き出せない、パクチーの香りを麺に纏わせる



パプリカソースでエスニック感をプラス

パクチーペーストを和えた麺に、ナンプラーをほのかに効かせた黄パプリカのソースをかけることで、ややエスニックなテイストに。味をなじませる役割も果たす



「医食同源という意味でもパクチーは、デトックス効果を期待できる食材です。肉料理や魚料理を食べた後に〆として味わってもぴったりの一品です」



白✕グリーンを基調にしたモダンな店内。シンプルながらも印象的で、思い出に残ること間違いなし


【焼きそばコラム】

・全国にさまざまなご当地焼きそばがあるが、日本三大焼きそばといえば、秋田県「横手やきそば」、群馬県「太田焼そば」、静岡県「富士宮やきそば」のこと。
・焼きそばといえば、日本人に昔から愛されているのが焼きそばパン。その発祥には諸説あるが、南千住にあった『野澤屋』(2010年閉店)が有力とされる。