小僧寿しがラーメン事業から撤退すると発表した。2014年末に「首都圏を中心に、15年6月までに50店舗」との計画を発表し、最盛期は約10店舗を展開した「麺や小僧」。撤退発表を受けて、いまどうなっているのだろうか。


「麺や小僧」を探して...

まずは1号店へ行ってみようと思い、Jタウンネットは16年5月中旬、千葉県の本八幡に向かった。

続々と「別のラーメン店」に転換

「麺や小僧」の1号店は2014年12月、京成八幡駅前(千葉県市川市)にオープンした。ここはもともと、小僧寿しの立ち食い業態「鉢巻太助」(13年9月オープン)だった。店舗は15年6月、別ブランド「麺屋黒琥(めんやくろこ)」に転換。主要駅の階段下という目立つ場所にありながら、コロコロ業態が変わっている。


「麺屋黒琥」本八幡店

新しく入居した「黒琥」は、東京・豊洲に本店を置く、とんこつラーメン店。外食ベンチャーの遠藤商事と組んで、目下チェーン展開が進められている。調べてみると、「麺や小僧」の半数以上(7店舗)が、15年秋までに「黒琥」へ転換されていた。小僧寿しのサイトによると、「リニューアル」の扱いらしい。


わずか半年で転換

では残りの店舗は、どうなっているのだろう。2号店・光が丘店(東京都練馬区)の「食べログ」投稿を見ると、15年10月末の時点で、シャッターに「暫くの間休業させて頂きます」と張られていたという。また「まちBBS」に目を向けると、南中野店(さいたま市見沼区)が、わずか2か月で閉店したと書かれていた。もう遅かったのか。

千葉も小岩も...

ネットの海をさまよっても、状況がわからなかったのが、千葉市中央区の「末広店」と、東京都江戸川区の「小岩店」。

「もしかして、ここに行けば食べられるかも」

一縷の望みを持って、京葉線に乗り込み、蘇我駅へと向かう。工業地帯を歩くこと10数分、末広店が近づいてきた。


灼熱の道路を歩く


あっ!小僧だ!


無念のシャッター

あった、あったぞ!!! と喜んだのもつかの間、シャッターは固く閉ざされていた。近寄ってみると、「都合により、7月21日より暫くの間休業させて頂きます」。なんと10か月以上も前に力尽きていた。


だいぶ前に閉じていた


「五百七十四円(税別)ラーメン」

きびすをかえして、次は小岩へ。駅前の商店街を抜けると、さきほど見たオレンジ色の看板が! あわてて近寄ったが、こちらも息絶えていた。つまり、撤退を発表するまでもなく、すでに「麺や小僧」は消滅していたということだ。


さっきより、ちょっと赤みがかった看板


こちらの「小僧」はカラー

強気な価格設定の「小僧特製魚介ラーメン」(税抜944円)や、レモンの輪切りで覆われた「レモンラーメン」(同777円)といった変わり種を食べてみたかったが、時すでに遅しだった。


笑顔の太助

小僧寿しといえば、イメージキャラクターの「鉢巻太助」。リアル感あふれる絵柄の本家と違って、「麺や」の小僧はニコニコ笑顔だ。休業から1年近く経ったが、きょうも太助は、笑顔でラーメンを差し出している。