砂の中に埋められた網や炭
 千葉県野田市にある「市スポーツ公園」で、キャンプ、バーベキュー利用者のごみ不法投棄や違法駐車などの迷惑行為が問題となり、同市は市内都市公園での火気使用を禁止する方針で、9月1日施行をめどに関連条例の改正案を市議会定例会に提案することになった。
(参照:『公園、火気使用禁止へ キャンプ利用、トラブル多発で 「マナー向上呼び掛けたが…」野田市』千葉日報オンライン)

 こうしたバーベキューの迷惑行為は、5月の大型連休の間にも各地でさまざまな波紋を呼んだ。これから夏に向かう中、ますます増えていくことが予想されている。

◆網や炭を砂に埋めたまま帰る人

 神奈川県茅ヶ崎市でサーフショップを営むFさんの元に、先輩から電話が入ったのも連休中の朝だった。

「地域のサーフィン仲間などで、定期的に海岸のゴミ清掃をしているんですがGW頃から秋口まで特に多くなります。漂着ゴミが多いんですが、今回目についたのはバーベキューの後始末をせずに網やら炭を置いていってしまう人がいたことでした」

 そういうFさんが見せてくれたのは、砂の中に隠すように埋められた網や炭の写真。

「砂をどかしてみるとまだ熱を持った炭、残飯、焼き網、石ブロック、なんだかわからないゴミ、割れたガラス瓶まで出てきました。子どもも歩く砂浜なのに酷いもんです。しかも、一緒に捨てられていた角材、いったいどこから持ってきたのか? 炭だって、埋めても自然には還らないものなんです」

 茅ヶ崎市もビーチの入口にゴミ箱を設置しているが、あくまでもバーベキューで出たゴミは持ち帰りが鉄則。市のホームページにもその旨記載されている。(参照:「茅ヶ崎市」)

 もちろん、地元の住民も、バーベキューをやること自体は否定していない。

「自分たちもたまにやるし、後片付け等をちゃんとやってくれればよいと思います。僕らがやるときはとにかくゴミには気をつけます。自分たちで出したゴミ以外にも周囲を掃除してから帰ったり。あと炭は当然火消し壺に入れて持ち帰ります。みんな誤解していますけど、ホント自然に還らないんで!」(地元サーファー)

マナー違反どころか逆ギレも

 マナー違反もさることながら、注意をすると逆ギレする連中も少なくないという。

「(バーベキュー禁止の)ウッドデッキ上でバーベキューをしている人に注意をしたら睨まれたこともあります」(地元住民)という声や、「鉄板を海で洗おうとしているのを見つけて注意したら『お前の海じゃねぇだろ!』と逆ギレされて困った」(同)という声もある。

「なんでもかんでも規制すればいいとは思わないけど、きちんとマナーを守れない人が多いと結局そうならざるを得ないと思います」(前出の住民)

 前出のFさんも「やる人のマナーが向上すれば一番いいんだけど、毎年毎年これだから恐らく無理かもしれません。こうなったら、バーベキューできるエリアを決めて、有料でゴミの引き取り所を設けるとかしないとダメかもしれません」と語る。

 アウトドアブームでバーベキューを楽しむ人も増えている昨今。

「バーベキュー用品が安いんで、数十人で割ったら大した金額でもないし、使い捨て感覚で捨てていってしまうんでしょう……。そういう人たちは、普段は海岸に来ない人達だから捨てて帰っちゃえば知らぬが仏な感じだと思います。結局、尻拭いは地元民。海岸清掃はボランティアでもごみ処理は茅ヶ崎市なんで税金使われているわけですし……」(Fさん)

 これからアウトドアのレジャーが楽しくなる季節。茅ヶ崎市は冒頭の野田市のような事実上のバーベキュー規制はまだ検討していない。しかし、マナーをしっかり守って楽まない人が増える限り、いずれはこうした声が上がってくるだろう。アウトドアにおけるマナー違反は、レジャーを楽しむフィールドを失わせ、地元の住民のみならず他の愛好者にも迷惑をかける行為だということをもっと認識すべきだろう。

<取材・文/HBO取材班 写真提供/地元サーファー>