カブス・川崎宗則【写真:田口有史】

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マイナー再契約直後の3ランが話題に、米メディア「彼を愛さずにいられない」

 カブスの川崎宗則内野手がマイナー再契約直後に放った本塁打が米国で話題となっている。米テレビ局「フォックス・スポーツ」電子版が「ムネノリ・カワサキが契約解除、マイナー再契約と同じ日に本塁打を放った」との見出しで伝えている。

 オフにカブスとマイナー契約を結び、メジャーキャンプに招待選手として参加していた34歳はオープン戦で好成績を収めながらも29日(日本時間30日)に契約解除となり、その日のうちに新たなマイナー契約を結び直した。そしてその直後に行われたアスレチックスとのオープン戦で途中出場すると、8回無死二、三塁の場面で右腕フェルナンド・ロドリゲスから右翼へ3ラン。会場は大歓声に包まれた。

 フォックス・スポーツはこの一連の出来事について記事を掲載。「リリースされた選手が数時間後に再契約となるのは決して頻繁に起こることではないが、川崎はチャンスを得た」と伝え、直後のオープン戦で本塁打を放ったこともリポートした。

 記事ではその時の様子を「スプリングトレーニングでの試合にも関わらず、ホームランの瞬間に観客は大興奮となった。川崎がベースを周る間、座っている観客はほとんどいなかった。これこそがムネノリ・カワサキの力だ。彼を愛さずにはいられない」と伝えている。

川崎が愛される理由は…「最も記憶に残るインタビューのおかげ」

 なぜ川崎はこれほど愛されるのか。記事ではその理由について、川崎の“名インタビュー”を要因の一つに挙げている。

 2013年5月26日のオリオールズ戦9回に逆転サヨナラ二塁打を放った際、川崎は通訳のいない試合後のインタビューで「My name is Munenori Kawasaki. I am from Japan. I am Japanese!!(私の名前は川崎宗則です。日本から来ました。日本人です)」とメモを片手に叫んだ。記事はそのことに触れ、「ムネノリ・カワサキは決して野球界で一番の有名選手ではない。MLB4シーズンでホームランは1本しか放っていないが、どこへいっても彼はファンから愛される存在だ。それはおそらく、彼が日本人であることを世界に宣言した、最も記憶に残るゲーム後のインタビューのおかげだろう」と分析している。

 マイナー再契約となった後でも、カブスのマドン監督は地元メディアに重要な戦力であることを強調し、「カワサキが昇格を実現した際には、シカゴで最も人気のある選手の1人になるだろう」と語っていた。

 新天地でも周囲を引き付けている川崎。指揮官の言葉通り、メジャー昇格をつかんだ際は大歓声で迎え入れられるに違いない。