アマゾンとの速配合戦で大注目、 “ヨドバシ.com”の本当の実力を比べてみた!
「『ヨドバシ.com』がスゴい!」というウワサが立ち始めたのは13年あたりから。書籍のネット販売を皮切りに日用品や雑貨、食品など取扱商品が急激に増えただけでなく、「商品の届くスピードがハンパない!」というのだ。「深夜に注文したら翌朝に届いた」という体験を持つ人も少なくない。
それまで「なんでもそろって配達も早い通販サイト」といえばAmazonの独壇場だった。年会費3900円の「Amazonプライム会員」になれば、当日配送は当たり前。地域にもよるが、会員でなくても2、3日後には届く。ところが、ヨドバシ.comは送料無料で、これも地域や在庫状況によるが、当日配達を実現したのだ。
「Amazonでの買い物が定着すると、店舗で実物を見てからAmazonで買うという人が増えましたが、ヨドバシはこれを逆手に取った。ヨドバシの店舗で実物を見て、ヨドバシ.comで買い物することを推奨したのです。そのため店舗とサイトで商品の値段を統一し、どちらでも同じポイントが貯まるようにしました」(業界に詳しいテクニカルライター)
こうした評判が広まって、徐々にAmazonからヨドバシ.comに乗り換える人も増えてきた。だが、そこで黙っていないのがAmazon。今のところ対象エリアは東京と神奈川の一部に限られるが、注文後1時間以内に商品を届けるサービス「プライム ナウ」を昨年11月からスタート。ここにユーザーが「どこまでいくんだ!?」と心配するほどの超スピード配達戦争が勃発した!
というわけで、どちらが早く商品を届けてくれるのか試してみることに。幸いにも記者の住まいはギリギリで「プライム ナウ」の対象エリア(1時間はムリだが2時間以内ならOK)。スピード配送にかける両者の対決結果はいかに!?
では、早速、結果発表です。実際、2時間以内をうたう「プライム ナウ」と当日配送の「ヨドバシ.com」では戦う前から勝敗は見えているわけだが、ポイントはヨドバシがどこまで肉迫できるのか。なんせ後者は配送料無料。我慢できる範囲の時間差ならタダを選びたい。
購入商品は「休日の朝、突然あれ読みたい!」と思い立ったことを想定し、本4冊とした。在庫状況で有利不利が出ないよう人気作を選ぶ。本当は1冊にしたかったが、「プライム ナウ」は2500円以上でないと注文できないため4冊に。朝8時半に同時に注文する。
先にやってきたのは、やはり「プライム ナウ」。きっかり2時間後の10時半に到着した。残念ながら「ヨドバシ.com」は11時間後の夜7時半到着だった。これでは休日にゆっくり本を読みたい夢は叶わない。この勝負は圧倒的にAmazonの勝利といえるか。
『週刊プレイボーイ』5号の大特集「業界別“チェーン店&サービス”勢力マップ」では、この他にも2016年のジャンル別激突20番勝負を徹底検証! そちらもお読みください。
(取材・文/井出尚志、渡辺雅史、高山恵、小島將裕【リーゼント】)