【インタビュー】山口蛍「父親の姿を見て、サッカーをしたいと思うようになった」
どこからでも目立つ金髪で、ワイルドにかきあげた派手な髪型をしているから、「山口蛍はやんちゃだ」と思う人がいるかもしれない。確かに試合中は厳しい場面に顔を出し、タイミングを伺ったり体をぶつけたりして鋭くボールを奪い取る、タフなプレーをよく見せる。ところがピッチを離れた彼は、口数も少なければ声も小さい、シャイな男だったりするのだ。

撮影/齊藤友也 取材・文/森雅史

「もっとうまくなりたい」という想い



――サッカー選手になりたいと思ったキッカケは?

父が社会人でプレーしていたので、いつも兄と見に行っていて、それで自分もやってみようと思いました。小学3年生のときですね。

――お父さんがプレーしている姿がカッコよかった?

そうですね。

――プロになりたいと意識するようになったのは、いつ頃から?

高校生のときぐらいから。中学生のときは、そんなにプロになりたいとは思ってなかったですね。

――それはどうしてでしょう?

自分は田舎から出てきて、初めてC大阪の練習場で練習したときに、ものすごくみんながうまいと感じて。自分が一番下手だと思ったんで、プロになりたいというより、もっとうまくなりたいというのが先にありました。

――では、これまでのサッカー人生で一番うれしかった出来事は?

“一番”がいっぱいあるんですよ。まず、プロになれたのがうれしかった。それからセレッソ大阪の下部組織に入れたのがうれしかった。

――実家は三重県ですよね。そこからC大阪に通うと、片道2時間ぐらいかかるんじゃないですか?

でも、それはしんどくなかったですね。そのときの仲間とも仲良かったですし、みんなと早くサッカーしたいという気持ちがあったので。

――では、これまでのサッカー人生で一番辛かった出来事は?

プロになって最初、なかなか試合に出られなかったときは辛かったです。試合に出られなかったら他のチームにレンタルで行ったりとか、そういうのはなかったので。最初のころは、年間で3、4試合しか出場できなかった。

――そうでしたね。

あとは去年のケガですかね。

――試合に出場できず、降格を救えなかった。

はい、半分ぐらい出ていないので。



試合前は洋楽を聴いてます



――試合前に必ず行う儀式はありますか?

グラウンドに入るときは、必ず右足から入ります。

――それは、何か成功体験があって?

いや、別にそういうのはないんですけど、ずっと右から入るようにしていますね。

――試合前のバスで聴くアーティストはいますか?

基本は洋楽ですね。

――具体的には?

誰とかはないんです。いろんな曲を聴いて、今まで聴いたことがなかった人の曲も聴いたりしているから。

――音楽はどこで探すんですか?

Apple Musicですかね。最近出た新しいヤツを1つずつ聴いていって、いいなと思うのをダウンロードしています。だから名前はあまり覚えていないんです(笑)。

――チームメイトから何と呼ばれていますか?

「蛍」です。

――Jリーグへの登録は最初「螢」だったのが、途中から「蛍」になりましたよね。

最初から「蛍」しか使ってないんですけど、なぜかプロになったときに「螢」になってたんです。別に気にしてなかったんですが。

――どちらが正しいんですか?

「蛍」です。「螢」なんて書いたことがない(笑)。

――チームメイトで仲がいいのは?

うーん…結婚している人が多いので、みんな早く家に帰っちゃうんですよね。最近まで長谷川アーリアジャスールくんがいましたから、アーリアくんと一緒にいましたけど。

――ボランチふたりはいいコンビなので、てっきりプライベートも一緒かと思っていました。

タカ(扇原貴宏)ですか? タカは中学から一緒なんで…。

――絡むという感じではない。

そうですね(笑)。

――山口選手がよく出没するスポットはありますか?

昔はスターバックスが好きでよく行っていたのですが、今は家で飲むようになりました。

――コーヒーにはこだわりが?

いや、普通のヤツです。代表に行ってるときに飲んでるものがあって、それがすごくおいしかったので、家でも飲むようになりました。