12日、TBS「バース・デイ」では「大物ルーキーが4年で戦力外通告 巨人での再起を懸けた戦い」と題し、巨人・吉川大幾の特集を放送した。

PL学園出身で甲子園のスター選手でもあった吉川は、中日ドラゴンズに入団すると大先輩・立浪和義がつけていた背番号3を与えられるなど大きな期待を寄せられていた。

だが、2011年、二軍における吉川の成績は打率.191というもの。2年目の2012年も.175、3年目の2013年も.184とふるわず、試合中には「立浪の背番号返せ、ボケ」という厳しい野次も飛んだ。

当時を振り返り「無駄なプライドというか。先輩にパッて言われたりすると反抗じゃないですけど顔に出したりだとか、そういうのもあった」という吉川は「ただ自分に苛立ってるだけで表情とか態度に出ちゃうと"なんだあいつはやる気ないのか"って取られても仕方がないというか。首脳陣の人達も僕を変えようとしてくれたというのはわかるんですけど難しかった」と続けた。

2014年10月には落合博満GMから呼び出しを受け、戦力外を通告された吉川。当時の様子を「バットを持って行ったんですよ。バッティングとか教えて貰えるのかなと思って。奥の部屋行ったら落合さんと代表がいて"来年の構想には入ってない"って言われて」と話すと、その瞬間は「頭が真っ白になりました」と言う。

それでもその翌月には巨人から声がかかった。「もう一回1からっていう思いはありました」という吉川は、守るポジションにこだわらず一時はやめていたスイッチヒッターにも挑戦。チームに必要とされる選手になるべく自身の特徴を磨いた。

すると今シーズンの戦いにおいて、主力の不振により5月に一軍昇格を果たした吉川は、初スタメンの試合で2安打1打点と活躍、8月の首位攻防戦では急遽スタメンに名を連ねると、ここでも2安打1打点とアピールに成功した。

試合開始7時間前には練習を始め、どのポジションで起用されてもいいよう入念に守備を確認する吉川。代走での出場も想定し、そのスペシャリストである鈴木尚広に教えを請うことも忘れない。

努力の甲斐あってか、9月4日のDeNA戦において吉川は代走から勝ち越しのホームを踏んだ。最後の守備でも難しいゴロをダブルプレーに切って取ると「こういう場面をしっかり増やしていって、打席とか頂けた時に結果を出せるように日々準備をしっかりやっていきたい」と意気込んだ。