【J1採点&寸評】名古屋×仙台|前半の攻勢を活かせなかった名古屋が公式戦3連敗に
【試合内容】
試合開始から主導権を握ったのはホームの名古屋。田口や野田を中心に高いボールポゼッションからゴールを目指したが、フィニッシュの精度や型を欠いて得点を奪えなかった。
後半は焦る名古屋の裏を突いて仙台が形勢を逆転。立ち上がりの49分に決定機を作ると、一気に攻勢に打って出た。79分には金久保のシュートをGK楢粼が弾いたところに奥埜が飛び込み、GKの動きを冷静に見極めて叩き込んだ。
これが決勝点となり、仙台がアウェーで勝点3を獲得。名古屋はL・ドミンゲス、川又の同時投入も実らず、1週間でナビスコ、天皇杯に続く公式戦3連敗を喫した。
【順位表】2ndステージ・10節終了時
【チーム採点・寸評】
名古屋 5
前半は非常に良い流れだっただけに、そこで得点を奪えなかったのが最大の敗因。攻めても攻めても決まらず、自ら手詰まりに陥った。
仙台 6
前半をじっと耐え、後半に相手の攻め気を逆手にとって形勢を逆転。狙いどおりの試合展開で勝点3を奪ってみせた。
【名古屋|採点・寸評】
GK
1 楢粼正剛 6.5
守護神のビッグセーブがなければ後半早々に勝負は決まっていたかもしれない。失点シーンもビッグセーブの後だけに、悔いは残るが。
DF
3 牟田雄祐 6
対人プレーに安定感があり、攻撃面でもまずまずの出来。カバーリングでも見せ場を作ったが、攻勢に出る采配のなかで無念の交代。
4 田中マルクス闘莉王 5.5
ゲームメイクを一手に引き受ける重責から解放され、後方でどっしりとチームを俯瞰。しかし怪我の影響か終盤はややガス欠気味に。
2 竹内 彬 6
相変わらずの安定感が際立つプレーぶり。前線から最終ラインまで、あらゆる場面で高いカバーリング能力を発揮した。
MF
10 小川佳純 5
右サイド深くまで侵入する回数は多かったが、ボールタッチが今ひとつ。良い展開を決定機に結び付けられなかったのが残念だった。
13 磯村亮太 5.5
縦を意識した視野の確保で惜しいスルーパスも連発。守備面でのパワフルさも目立ったが、試合を決定づけるプレーができなかった。
7 田口泰士 5.5
スタメン復帰でさすがのゲームメイク力を披露。闘争心溢れるプレーで中盤を牽引したが、得点を奪うまでには一歩及ばず。
6 本多勇喜 5.5
常に前進するプレーで前半は左サイドの主導権を握った。後半はストッパーとしてもプレーし及第点の出来。
20 矢田 旭 5
前半はトップ下として自由な動きで中盤に流動性をもたらしたが、徐々に相手のプレッシャーの前に存在感を失った。
FW
11 永井謙佑 5.5
代表帰りの疲れも見せずに前線を疾走。後半はウイングバックとしてチームのために走ったが、決定機を決められなかったのが痛恨。
9 野田隆之介 5.5
巧みなポストプレーは密集のなかでもまったく精度が落ちず。しかしスタミナに不安を抱え、消える時間帯も多く、課題を残す試合に。
交代出場
MF
33 レアンドロ・ドミンゲス 5.5
セットプレーのキッカーとしてはやはり有能。しかしロングボールが増え、パサーとしての能力を発揮できずに試合が終わった。
32 川又堅碁 5
動きのダイナミックさは戻ってきたが、シュートを打てずにボールを触る回数も数えるほど。意識改革が必要だ。
MF
8 ダニルソン -
試合終盤に逆転を狙う展開で投入されたが、攻撃での見せ場はなかった。守備面でもまだ本調子でないことを露呈。
監督
西野 朗 5
前半のメンバー構成は可能性を感じさせるチョイスだったが、そこで得点が生まれず交代策も不発。1週間で3敗では悩みも深い。
【仙台 | 採点・寸評】
GK
1 六反勇治 6
安定したハイボール処理とセービング。ゴール前では存在感を見せた。前半二度のピンチにはビッグセーブでチームを救う。
DF
25 菅井直樹 6
持ち前のオーバーラップがこの日は影を潜めたが、相手の左サイドに蓋をした。普段の攻撃面ではなく堅実な守備で貢献。
2 鎌田次郎 6
粘り強く最終ラインを統率し、名古屋の攻撃をシャットアウト。堅固な守備組織を最後まで保ち、無失点勝利に導いた。
3 渡部博文 6
ファウルが多いのが玉に瑕だが、空中戦では負けなしだった。鎌田とのコンビネーションもよく、無失点の立役者。
5 石川直樹 6
前半は名古屋の小川への大きな展開への対応に追われたが、持ち前の対人能力できっちり抑え切り、その後もチャンスメイクを許さなかった。
MF
14 金久保順 6
決勝点につながるドリブルシュートは値千金の仕掛け。後半から存在感を増し、攻撃の起点のひとつに。
17 富田晋伍 6
キャプテンとしてのリーダーシップを守備力とともに存分に発揮。気の利いたパスさばきでチームにリズムを与えた。
10 梁 勇基 6
セットプレーのキッカーとして、後半は尻上がりに調子を上げていった印象。ボランチとしてのゲームメイク力も光った。
7 奥埜博亮 6.5
チャンスを逃さず、そして冷静に状況を見極めたシュートで決勝点をマーク。サイドハーフとしても運動量豊富に攻撃を盛り立てた。
FW
11 金園英学 5.5
動き出しは良いが起点にはなかなかなれず。後半開始早々のビッグチャンスは決めておきたかった。
20 ハモン・ロペス 5.5
持ち味はなかなか出せなかった印象。身体能力の高さは垣間見せたが、前線で脅威になるまでには至らなかった。
交代出場
FW
9 ウイルソン 6
サイドで巧みにボールを引き出し、前線を活性化。相手DFの目先を反らし、決勝点の生まれる流れにも間接的に貢献した。
DF
36 村上和弘 -
リードを奪った後の時間稼ぎとしての投入で、ボールタッチはほとんどなかった。戦術的交代で見せ場はほとんどなし。
FW
28 山本大貴 -
終了間際の89分に出場し、チームの勝利のために時間稼ぎに奔走。攻撃面での持ち味を発揮する場面はなかったものの、与えられた役割を全うした。
監督
渡邉 晋 6
流れを変える采配はなかったが、チームを粘り強く戦わせたマネジメントが最良の結果を呼んだ。
取材・文:今井雄一朗(スポーツライター)
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
試合開始から主導権を握ったのはホームの名古屋。田口や野田を中心に高いボールポゼッションからゴールを目指したが、フィニッシュの精度や型を欠いて得点を奪えなかった。
後半は焦る名古屋の裏を突いて仙台が形勢を逆転。立ち上がりの49分に決定機を作ると、一気に攻勢に打って出た。79分には金久保のシュートをGK楢粼が弾いたところに奥埜が飛び込み、GKの動きを冷静に見極めて叩き込んだ。
これが決勝点となり、仙台がアウェーで勝点3を獲得。名古屋はL・ドミンゲス、川又の同時投入も実らず、1週間でナビスコ、天皇杯に続く公式戦3連敗を喫した。
【チーム採点・寸評】
名古屋 5
前半は非常に良い流れだっただけに、そこで得点を奪えなかったのが最大の敗因。攻めても攻めても決まらず、自ら手詰まりに陥った。
仙台 6
前半をじっと耐え、後半に相手の攻め気を逆手にとって形勢を逆転。狙いどおりの試合展開で勝点3を奪ってみせた。
【名古屋|採点・寸評】
GK
1 楢粼正剛 6.5
守護神のビッグセーブがなければ後半早々に勝負は決まっていたかもしれない。失点シーンもビッグセーブの後だけに、悔いは残るが。
DF
3 牟田雄祐 6
対人プレーに安定感があり、攻撃面でもまずまずの出来。カバーリングでも見せ場を作ったが、攻勢に出る采配のなかで無念の交代。
4 田中マルクス闘莉王 5.5
ゲームメイクを一手に引き受ける重責から解放され、後方でどっしりとチームを俯瞰。しかし怪我の影響か終盤はややガス欠気味に。
2 竹内 彬 6
相変わらずの安定感が際立つプレーぶり。前線から最終ラインまで、あらゆる場面で高いカバーリング能力を発揮した。
MF
10 小川佳純 5
右サイド深くまで侵入する回数は多かったが、ボールタッチが今ひとつ。良い展開を決定機に結び付けられなかったのが残念だった。
13 磯村亮太 5.5
縦を意識した視野の確保で惜しいスルーパスも連発。守備面でのパワフルさも目立ったが、試合を決定づけるプレーができなかった。
7 田口泰士 5.5
スタメン復帰でさすがのゲームメイク力を披露。闘争心溢れるプレーで中盤を牽引したが、得点を奪うまでには一歩及ばず。
6 本多勇喜 5.5
常に前進するプレーで前半は左サイドの主導権を握った。後半はストッパーとしてもプレーし及第点の出来。
20 矢田 旭 5
前半はトップ下として自由な動きで中盤に流動性をもたらしたが、徐々に相手のプレッシャーの前に存在感を失った。
FW
11 永井謙佑 5.5
代表帰りの疲れも見せずに前線を疾走。後半はウイングバックとしてチームのために走ったが、決定機を決められなかったのが痛恨。
9 野田隆之介 5.5
巧みなポストプレーは密集のなかでもまったく精度が落ちず。しかしスタミナに不安を抱え、消える時間帯も多く、課題を残す試合に。
交代出場
MF
33 レアンドロ・ドミンゲス 5.5
セットプレーのキッカーとしてはやはり有能。しかしロングボールが増え、パサーとしての能力を発揮できずに試合が終わった。
32 川又堅碁 5
動きのダイナミックさは戻ってきたが、シュートを打てずにボールを触る回数も数えるほど。意識改革が必要だ。
MF
8 ダニルソン -
試合終盤に逆転を狙う展開で投入されたが、攻撃での見せ場はなかった。守備面でもまだ本調子でないことを露呈。
監督
西野 朗 5
前半のメンバー構成は可能性を感じさせるチョイスだったが、そこで得点が生まれず交代策も不発。1週間で3敗では悩みも深い。
【仙台 | 採点・寸評】
GK
1 六反勇治 6
安定したハイボール処理とセービング。ゴール前では存在感を見せた。前半二度のピンチにはビッグセーブでチームを救う。
DF
25 菅井直樹 6
持ち前のオーバーラップがこの日は影を潜めたが、相手の左サイドに蓋をした。普段の攻撃面ではなく堅実な守備で貢献。
2 鎌田次郎 6
粘り強く最終ラインを統率し、名古屋の攻撃をシャットアウト。堅固な守備組織を最後まで保ち、無失点勝利に導いた。
3 渡部博文 6
ファウルが多いのが玉に瑕だが、空中戦では負けなしだった。鎌田とのコンビネーションもよく、無失点の立役者。
5 石川直樹 6
前半は名古屋の小川への大きな展開への対応に追われたが、持ち前の対人能力できっちり抑え切り、その後もチャンスメイクを許さなかった。
MF
14 金久保順 6
決勝点につながるドリブルシュートは値千金の仕掛け。後半から存在感を増し、攻撃の起点のひとつに。
17 富田晋伍 6
キャプテンとしてのリーダーシップを守備力とともに存分に発揮。気の利いたパスさばきでチームにリズムを与えた。
10 梁 勇基 6
セットプレーのキッカーとして、後半は尻上がりに調子を上げていった印象。ボランチとしてのゲームメイク力も光った。
7 奥埜博亮 6.5
チャンスを逃さず、そして冷静に状況を見極めたシュートで決勝点をマーク。サイドハーフとしても運動量豊富に攻撃を盛り立てた。
FW
11 金園英学 5.5
動き出しは良いが起点にはなかなかなれず。後半開始早々のビッグチャンスは決めておきたかった。
20 ハモン・ロペス 5.5
持ち味はなかなか出せなかった印象。身体能力の高さは垣間見せたが、前線で脅威になるまでには至らなかった。
交代出場
FW
9 ウイルソン 6
サイドで巧みにボールを引き出し、前線を活性化。相手DFの目先を反らし、決勝点の生まれる流れにも間接的に貢献した。
DF
36 村上和弘 -
リードを奪った後の時間稼ぎとしての投入で、ボールタッチはほとんどなかった。戦術的交代で見せ場はほとんどなし。
FW
28 山本大貴 -
終了間際の89分に出場し、チームの勝利のために時間稼ぎに奔走。攻撃面での持ち味を発揮する場面はなかったものの、与えられた役割を全うした。
監督
渡邉 晋 6
流れを変える采配はなかったが、チームを粘り強く戦わせたマネジメントが最良の結果を呼んだ。
取材・文:今井雄一朗(スポーツライター)
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。