巷でよく耳にする「御用達」--。それって、一体どんなもの? テレビや雑誌などでおなじみ“明治天皇の玄孫”で作家の竹田恒泰氏に伺った。

「“宮内庁御用達”とは、宮内庁に商品などを納入する業者・商品のこと。よい物を適切な値段で扱う店が“御用達”の看板を掲げられる栄誉を受けてきました。明治24年に始まった制度でしたが、昭和29年以降は制度自体が廃止に。しかし、かつての“宮内庁御用達”ゆかりの品々は、質素倹約をよしとしてきた皇室が長年愛用していたという確固たる信頼・品質があり、一般消費者にとっても、よい物を大切に使うための参考になるのではないでしょうか」

和菓子や調味料などの食品から食器や傘、お財布など日用品まで、身近なお店で購入できて、大切な方への贈り物にもピッタリな逸品を『週刊女性』本誌編集部で厳選しました。なお、商品の価格は税込み(2015年8月現在)です。

伝統とこだわりの技が光る日用品や嗜好品がズラリ!

熟練した職人たちによって紡ぎ出された最高級の商品・味は、ただただ圧倒されるばかり。日本が誇る最上級の品質を、ぜひ自分の目で、舌で確かめて。大切な方への贈り物にも最適。

■ドラマでおなじみ「天皇の料理番」も太鼓判のかまぼこ

白銀・海陽:各594円/白銀本舗 杉本利兵衛本店

創業者が天皇家の料理人、秋山徳蔵主厨長と親交があった関係で戦前より宮中に納品。上質なタラの風味を存分に楽しめる「白銀」、縁起ものとして親しまれる「海陽」。いずれも、宮内庁の公式行事に納入しているものの小型版。購入はインターネットショップで。

■香淳皇后の兄君、久邇宮朝融王のご創作香水

久邇香水No.65(25ml):16200円/久邇コーポレーション・ルリ

昭和26年より旧宮家の方々を中心に愛用されてきた香水は、高貴で優雅なジャスミンの香り。国賓への贈答としても愛用されてきた。調香師が作った花梨の化粧水も人気商品。電話、HP注文で販売中。

■匠の技が光る老舗店公式行事などでも活躍する傘

婦人傘:21600円/前原光榮商店

生地織り・骨組み・加工・手元(曲げ)と各職人たちが織りなす4つの“匠”の工程を経てできあがった傘は、まさに洗練美。昭和天皇をはじめ皇族方の傘をオーダーで受注、修理も受ける。写真は美智子さまが修理しながら大切に使われている傘に近いタイプ。

■品質と職人技にこだわる老舗鞄店で数々の賞も受賞

ランドセル:9色展開、各97200円/大峽製鞄

皇室の薬箱や愛子さまのランドセルなどを製作する老舗鞄メーカー。欧州のラグジュアリーブランドも使用している素材を特別発注して作ったランドセル(写真)は、特に人気。愛子さまのものと同素材のランドセル(5色展開・81000円)も売れ筋。

■皇族方に愛される深いブルーの陶磁器たち

サムシングブルー・ペア碗皿:6480円/香蘭社 東京銀座店

1600年代に創業。天皇陛下のお食事用、宮中晩餐会や園遊会で使用される食器、各宮家にもお印が刻印された食器などを納めている。銀座店2階には皇室ゆかりの商品の展示も。ブランドを象徴する瑠璃色とバラがモチーフのペアカップは贈答品としても人気。

■京都で168年以上続く日本で唯一の金平糖専門店

菓懐石:8802円/緑寿庵清水

不可能とされてきた素材を入れた風味のある金平糖を可能にするなど、独自の製法を貫く老舗。京懐石をイメージした「菓懐石」は、2段の塗竹籠に約60種類の中から計10種類の厳選された金平糖が入る。皇族方に献上された逸品。購入は店舗ほか、電話、FAXで。

取材・文/西郡幸子 撮影/齋藤周造、伊藤和幸