2015年8月29日
TEXT:編集部


WRH-733G

出張先のホテルでインターネット接続が有線LANしか用意されていないケースは意外と多い。そんなときに便利なのが、有線LANを無線化できるコンパクトなポータブルルータだ。“ホテルルータ”や“トラベルルータ”とも呼ばれるこのような小型ルータの中から、各社の注目商品を紹介する。

この手のポータブルルータでもっとも大事なのが、サイズと重量だ。旅行のために持ち運ぶものなので、できるだけ小さくて軽いに越したことはないが、本体のサイズだけチェックすればよいわけではなく、電源についてもACアダプタ接続か、USBで給電できるのかを確認しておく必要がある。USB給電ならば、ノートPCやUSB充電器のUSBポートに接続することで、手軽に給電できる。

最近ではワイヤレスストレージ兼用でバッテリーを内蔵したものも登場してきているが、バッテリーのぶんだけ大きく重くなってしまうので注意が必要だ。このほか、電源内蔵で本体に装備されたプラグを直接コンセントに差し込める製品もある。

Wi-Fi接続がIEEE802.11acに対応しているか、インターネット接続用のWANポートがギガビットに対応しているかどうかも重要だ。また、周波数帯については、2.4GHzと5GHzの両方に対応した製品も増えてきている。このほか、インターネット接続がPPPoEに対応していない製品もあるので、もしPPPoEで接続する必要がある場合は気をつけよう。

Wi-Fi接続設定については、ボタンを押すだけで設定できるWPSボタンや、スマートフォンやタブレットのカメラ機能でQRコードを読み込むことで設定できる機能など、複雑な設定が不要で簡単に使える製品が多くなってきているので、このような製品ならばワイヤレス通信に不慣れな人でも簡単に使いこなせるだろう。

■WRH-733G(エレコム)
URL:http://www2.elecom.co.jp/products/WRH-733GBK.html

IEEE802.11acに対応したポータブルルータで、2.4GHz帯と5GHz帯のデュアルバンドに対応。WANポートはギガビットに対応している。子機モードに変更することにより、有線LANポートを有するネットワーク機器を無線化することもできる。同梱のQRコードを読み取ることで暗号キーの入力が不要となる設定用アプリを用意しているほか、ボタンを押すだけでPCやゲーム機とWi-Fi設定を行えるWPS機能も搭載する。また、無線PC同士のアクセスを禁止できるプライバシーセパレーター機能を搭載するほか、1台の無線アクセスポイントに複数のSSIDを設定できるマルチSSID機能も搭載する。サイズは68.9(幅)×64(奥行)×14.5(高さ)mm、重量は約35g。給電は付属のACアダプタまたは別売りのUSBケーブルで行う。


WRH-733G

■WMR-433W(バッファロー)
URL:http://buffalo.jp/product/wireless-lan/ap/wmr-433w/

IEEE802.11acに対応に対応したポータブルルータ。45(幅)×45(奥行)×15(厚さ)mm、重量が約19gという軽量・コンパクトなボディで、給電はUSBで行う。スマートフォン/タブレット用アプリ「QRsetup」とQRコードを読み込むだけで接続設定を行うことが可能で、ボタンを押すだけでWi-Fi接続設定を行えるWPSボタンも搭載。また、AOSS/WPSに対応していない機器でも、本体背面に記載されているSSIDと暗号化キーを入力するだけで接続できる。さらに、AOSS/WPS設定時に自動的に無線LAN電波の全チャンネルをスキャンし、空いているチャンネルに自動で設定できる電波混雑防止機能も搭載している。


WMR-433W

■ちびファイ3(プラネックスコミュニケーションズ)
URL:https://www.planex.co.jp/products/mzk-dp150n/

電源内蔵で、本体のプラグを直接コンセントに差し込むことができるポータブルルータ。電源プラグは収納式で、持ち運ぶときはコンパクトに折りたたむことができる。Wi-FiはIEEE802.11n/g/bに対応。接続設定はWebブラウザからアクセスして行なえる。サイズは30(幅)×55(奥行)×45(厚さ)mm、重量は約55g。


ちびファイ3

■AtermW500P(日本電気)
URL:http://121ware.com/product/atermstation/product/warpstar/w500p/

IEEE802.11acに対応に対応したポータブルルータで、5GHz帯と2.4GHz帯の切替も可能。NFC対応スマートフォンやタブレットをかざすだけでWi-Fi接続設定を行える「らくらく『かざして』スタート」に対応するほか、QRコードを読み取るだけで接続できる「らくらくQRスタート」にも対応する。また、auの「かんたん接続」機能にも対応する。小型ながらも電波を全方位へ飛ばせる「μ(マイクロ)SRアンテナ」を搭載する。58(幅)×58(奥行)×15.8(厚さ)mm、重量は約34g。カラーはブラックとホワイトの2色。ACアダプタやケーブルをまとめられる収納ポーチが付属する。また、ストラップホールも装備する。


AtermW500P

■WN-AC583TRK(アイ・オー・データ機器)
URL:http://www.iodata.jp/product/network/pocketrouter/wn-ac583trk/index.htm

IEEE802.11acに対応に対応したポータブルルータで、5GHzと2.4GHzの同時接続が可能。11ac(5GHz)対応のスマートフォンでWi-Fiを使用しながら、11n(2.4GHz)のPCやゲーム機のWi-Fiを同時に利用するといった使い方ができる。また、有線LANポートも搭載しており、スマートフォンでWi-Fi接続しながらPCは有線LANで接続するという使い方もできる。Wi-Fi設定はNFC搭載スマートフォンをかざすだけで接続できる「NFCコネクト」に対応するほか、QRコードを撮影するだけで接続できる「QRコネクト」にも対応。SSIDや暗号コードなどの接続設定を変更した場合でも、Webサイトで設定変更後のQRコードを生成できる。また、ボタンを押すだけで設定できるWPS機能も搭載する。給電はUSB(micro USB)で行うことが可能。サイズは80(幅)×62(奥行)×22(厚さ)、重量は約52g。


WN-AC583TRK

■REX-WIFIMSD1-52(ラトックシステム)
URL:http://www.ratocsystems.com/products/subpage/wifimsd152.html

容量5200mAhのバッテリーを搭載したポータブルルータで、モバイルバッテリーとしても利用できる。最大5台の端末からWi-Fi接続を行える。ストレージ機能も搭載しており、microSDやUSBメモリなどを接続してストレージとして利用できる。スマートフォンの写真データをmicroSDに保存することもできるほか、専用アプリ「WiDrawer」を利用することにより、ストレージとスマートフォンとの間でデータの読み書きを行える。Wi-FiはIEEE 802.11 b/g/nに対応。70(幅)×73(奥行)×23(厚さ)mm、重量は約149g。


REX-WIFIMSD1-52

以上、出張や旅行時に便利なポータブルルータを紹介した。この中でWANポートがギガビットに対応しているのはエレコムの「WRH-733G」のみだが、無線LANがIEEE802.11acに対応した製品はかなり多い。手軽さという意味では、電源プラグが内蔵の「ちびファイ3」が魅力だが、ルータの重さでは20gを切る「WMR-433W」が群を抜いている。このように、ひと口にポータブルルータといってもさまざまなスペックや特徴があるので、自分の使い方に合った最適な製品を見つけてほしい。