脳科学者の茂木健一郎氏が自身のYouTubeチャンネルで「2時間待ちぼうけでも楽しい、その境地。」と題した動画を公開した。動画では、読書が自身の行動や物の見方に与える影響について、内田百閒の著作『阿房列車』のエピソードを交えながら語っている。

茂木氏は冒頭、「読書が自分の行動を変えるという意味においては、内田百閒の『阿房列車』という本当に素晴らしい作品がある」と切り出し、本を読むことで「世界の見方とか物の見方ってこういう感じなんだな」と学ぶことができると語った。

動画内で茂木氏は、『阿房列車』の中で描かれている印象的なエピソードを紹介した。列車を乗り換える際、自分たちが乗る予定の列車が遅れていたにもかかわらず、駅員から急ぐように促されたことに内田百閒が腹を立て、あえて普通のスピードで歩いて列車に乗り遅れたという場面だ。

その後、次の列車が来るまでの2時間、内田百閒は駅のホームのベンチに座り、雨が降る中でただぼうっと待ち続けたという。一般的には「2時間待つのは嫌だ」と感じる状況だが、茂木氏はこの状況に対して「それが別に楽しそうなんだよね」と表現。何もしない時間でも「その間色々考えることはあるし、退屈はしないし、退屈しないような人になればいいわけだし」と述べ、状況の捉え方次第で豊かな時間を過ごせることを指摘した。

さらに茂木氏は、列車の待ち時間以外にも、酒の飲み方など『阿房列車』の中で描かれる様々な場面に触れ、「こういうシンプルな楽しみ方、あるいは物の見方があるんだな」と感銘を受けたことを明かした。

最後に茂木氏は、「本を読むことでそういう風に、2時間待ちぼうけでも楽しいという物の見方が身につくっていうのは素晴らしいこと」と締めくくった。あえて「何もしない時間」を楽しむ境地と、読書を通じて多様な視点を得ることの価値を視聴者に提示している。

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