工事現場を舞台にした小説である。クセの強い「安全屋」が登場するというと、働く人の命や健康を軽視するエラい人が成敗されて気分スッキリとかの仕事小説を想像する方もいるのではないだろうか。そういう期待通りには進まない小説だ。というより、進んでいる方向が見えない。じわじわくる違和感の理由が、最後の最後で明らかになる。ただならない魅力の仕事小説である。